トランプ氏「イラン戦争はほぼ終了」発言でNYダウ反発 原油急落で市場に安堵感

3月9日の米国株式市場は、ドナルド・トランプ米大統領がイランとの軍事衝突について「戦争はほぼ完全に終了した」と発言したことを受け、主要指数が大幅に値を戻しました。優良株で構成されるダウ工業株30種平均は、一時前週末比で800ドル以上下落する場面もありましたが、午後に上昇へ転じ、終値は前週末比239.25ドル(0.5%)高の4万7740.80ドルで取引を終えました。
相場の転換点となったのは、米東部時間午後3時過ぎにCBSニュースの記者がSNSのX(旧ツイッター)に投稿したトランプ氏のインタビュー内容です。トランプ氏は電話インタビューに対し、「イラン側には軍事的な意味で何も残っていない。海軍も通信網も空軍もない」と述べ、米軍の攻撃によってイランの反撃能力が事実上壊滅したことを強調しました。この発言が伝わると、中東情勢の泥沼化を懸念していた投資家の間で早期終結への期待が急速に広がり、主力株を中心に買い戻しの動きが強まりました。
この日の相場は極めて激しい値動きとなりました。朝方は中東情勢の緊迫化に伴う原油供給懸念から原油先物相場が急騰し、コスト増による企業業績への悪影響を嫌気した売りが先行しました。取引時間中の値幅(高値と安値の差)は1260ドルに達し、これは2025年4月以来の大きさとなりました。当時の市場は、トランプ氏が発表した「相互関税」の導入と一部停止という急激な政策転換に翻弄されていましたが、今回も大統領の一挙手一投足に市場が激しく揺さぶられる展開を再現した形です。
ハイテク株主体のナスダック総合株価指数も前週末比308.26ポイント高の2万2695.94と3日ぶりに反発しました。また、S&P500種株価指数も同様にプラス圏へ浮上し、市場全体のリスク回避姿勢が和らいだことを示しています。
軍事作戦の早期完了を強調 原油価格は一夜で「40ドル安」の衝撃
トランプ大統領は今回のインタビューで、対イラン作戦について「予定よりもかなり早く進行している」と自信を見せました。同氏は3月1日付のニューヨーク・タイムズで、攻撃期間について「4〜5週間を想定している」との見通しを示していましたが、実際にはわずか1週間余りで「終結」に言及したことになります。2日には「どれだけ時間がかかっても問題ない」と長期戦の構えも見せていただけに、市場にはポジティブなサプライズとして受け止められました。
この発言を受けて最も顕著な反応を示したのがエネルギー市場です。前夜には1バレル119ドル台まで高騰していたWTI原油先物相場は、トランプ氏の発言を受けて急落し、一時81ドル台前半まで値を下げました。わずか17時間ほどで40ドル近くも価格が下落した計算になり、インフレ再燃を警戒していた株式市場にとって大きな支援材料となりました。
個別銘柄では、朝方に売られていたキャタピラーやアメリカン・エキスプレスといった景気敏感株に買い戻しが入りました。業種別では、原油安が逆風となる「エネルギー」と、金利低下傾向が重荷となった「金融」を除く幅広い業種が上昇して取引を終えています。トランプ政権による電撃的な軍事作戦とその「終結宣言」は、地政学リスクに震えていたウォール街にひとまずの平穏をもたらしました。



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