
週明け23日午前の東京株式市場で、日経平均株価は大幅続落し、一時下げ幅が2600円を超えて5万1000円を割り込みました。取引時間中に5万1000円を下回るのは、今年1月5日以来およそ2カ月半ぶりで、市場の警戒感の強さがあらためて意識されています。午前10時時点の日経平均は前週末終値比2651円安の5万721円53銭となっており、幅広い銘柄で売りが優勢となっています。
背景には、中東情勢の悪化を受けた原油価格の上昇と、その長期化への懸念があります。アメリカのドナルド・トランプ大統領は21日、日本時間22日未明にかけて、イランが48時間以内に原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を「完全に開放」しない場合、「イラン各地の発電所を壊滅させる」とSNSで警告しました。これに対し、イラン側は発電所などエネルギー関連施設が攻撃された場合にはホルムズ海峡を完全封鎖する構えを示し、米・イラン双方の応酬が続いています。
緊張の高まりを受けて、22日のニューヨーク原油先物市場では、指標となる米国産標準油種(WTI)5月物が一時1バレル=100ドルを超え、約3日ぶりに大台を回復しました。原油価格は前週末の終値98.23ドルから上昇し、中東発の供給不安が長引くとの見方が強まっています。市場では、原油高が企業収益や個人消費を圧迫し、日本経済の先行きに下押し圧力となるとの見方が広がっており、ハイテク株や輸送関連株、内需株まで幅広いセクターで売りが出ています。
こうしたリスクオフの流れは、今月以降の東京市場で断続的に続いてきました。中東情勢の緊迫化と米国株安を背景に、日経平均は3月上旬にも一時2600円超安となり、5万3600円台まで下落した局面があります。その後も、米大手ファンドの解約停止問題や欧米金融市場への警戒感が重なり、投資家心理の悪化が続いています。市場関係者の間では、「地政学リスクが和らがない限り、戻り局面では売りが出やすい状態が続く」との声も出ています。
中東リスク長期化への警戒と日本経済への影響
今回の株安の直接要因となったトランプ大統領の対イラン強硬発言は、ホルムズ海峡という世界の原油輸送の要衝を舞台としています。海峡封鎖が現実味を帯びれば、原油供給の混乱が長期化し、日本を含む世界経済への影響は避けられないとの受け止めが広がっています。日本はエネルギー供給の多くを中東に依存しているため、原油高が続けば企業のコスト増や物価の押し上げを通じて、景気の下振れ要因となる可能性があります。
実際、3月に入り中東危機の長期化懸念が意識されるなか、日経平均は大きな値幅での下落が3営業日連続で起きるなど、ボラティリティが高まっています。一部のアナリストは、日経平均の下値めどとして5万2000円程度を意識しつつも、米国株安や原油高が続けばその水準を下回る局面もあり得ると指摘しています。市場では、企業業績への影響が本格的に決算に織り込まれてくるかどうかを見極めたいとして、個人投資家を含めたリスク回避の動きが強まっています。
一方で、国内では賃上げや設備投資の動きも続いており、足元の景気基調は大きく崩れていないとの見方もあります。そのため、市場では「地政学リスクが一定程度落ち着けば、原油高懸念の後退とともに株式相場に自律反発の余地もある」との声も根強く、当面は中東情勢と原油市場の動向が、日本株の方向性を左右する展開が続きそうです。










の看板-280x210.jpg)

-300x169.jpg)