
ソフトバンクグループ(SBG)が、米オハイオ州に世界最大級のAI向けデータセンターを建設する方針を明らかにしました。孫正義会長兼社長が3月20日(現地時間)、同州ピケトンの起工式で発表した単一キャンパスへの総投資額は5000億ドル(約75兆円)規模です。米商務長官ハワード・ルトニック氏は「米国史上最大の建設プロジェクト」と表現しました。
計画地は米エネルギー省所有の旧ウラン濃縮施設(ポーツマス・ガス拡散プラント)の跡地で、面積は約3700エーカーに及びます。同施設は2001年に閉鎖された後、現在も廃止措置が進められており、今回「PORTSテクノロジーキャンパス」として再生される計画です。
SBG傘下のSBエナジーは、10GW規模のデータセンター向けに9.2GWの天然ガス火力発電設備を中心とした電源を、地域電力会社AEP Ohioと連携して整備するほか、42億ドル規模の送電線増強・新設も行います。1GWはおおよそ75万世帯分の電力に相当するとされており、10GW規模の設備はオハイオ州の総発電容量(約30GW)の3分の1に迫る規模です。全米でも前例のないメガプロジェクトとなっています。
日米両政府は本プロジェクトを、日本が約束した総額5500億ドル(約82兆円)規模の対米戦略投融資枠組みの第一弾と位置づけています。ガス発電分の日本側負担は約333億ドルで、SBGのほか東芝・日立・みずほ銀行・三菱UFJ銀行など日本12社と米国9社の計21社が「ポーツマスコンソーシアム」を組成し、発電・AIインフラ整備への参画を目指す構えです。
スターゲートとは別構想 実現性への課題も
今回のオハイオ州計画は、孫氏がOpenAI・オラクルと推進する「スターゲート」構想とは別のプロジェクトになります。スターゲートは3社によるAIインフラ合弁事業として2025年1月に発足しており、オハイオ州計画はSBGが独自に主導する枠組みです。
実現性への疑問も出ています。プロジェクトの規模が公表される以前、地域の送電網運用機関PJMは詳細な通知を受けていなかったことが報じられており、電力系統や規制面でのハードルも課題です。
地元では雇用創出・税収増への期待がある一方、大規模な電力・水使用が地域環境に与える影響を懸念する声も上がっています。農村部の住民グループはメガデータセンター規制の州憲法改正に向けた署名活動を始めました。
エネルギー省は本プロジェクトを、AI時代の電力需要に対応しつつ老朽化施設を再活用する先行事例と位置づけており、着工は2026年中を目標としています。










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