米国株式市場が大幅続落しダウが調整局面入り 中東情勢の緊迫化で投資家心理が冷え込む

ニューヨーク証券取引所

米国株式市場は27日、主要3指数がそろって大幅に下落し、終値ベースで約7カ月ぶりの安値を更新しました。特にダウ工業株30種平均は、2月に記録した最高値から10%以上値下がりしたことで、株価の基調が弱まったことを示す「調整局面」入りが確認されました。中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスクへの警戒感が強まっており、投資家の間でリスクを避ける動きが鮮明となっています。

今回の下落により、ダウ平均、ナスダック総合指数、S&P500種株価指数の主要3指数はいずれも5週連続の値下がりを記録しました。これは過去4年間で最長の下げ期間となります。市場関係者からは、全体的な相場の基調が非常にネガティブに転じているとの指摘が出ており、状況が落ち着くまでにさらなる下落を見込む声も上がっています。

中東情勢を巡っては、米政府高官がイランに対する軍事作戦が数週間以内に終結する見込みであると言及し、地上部隊を投入せずに目標を達成できるとの見通しを示しました。しかし、イラン側は米国の対話の呼びかけと攻撃の継続を「容認できない」と批判しており、停戦計画に応じるかどうかの判断を保留しています。この先行きの不透明感が市場の重石となっており、投資家の不安心理を反映するVIX指数(恐怖指数)は13%超と急上昇し、31.05ポイントに達しました。

個別銘柄では、ハイテク株を中心に売りが加速しました。人工知能(AI)大手のエヌビディアが2.2%安、アマゾン・ドット・コムが4%安となるなど、時価総額の大きい銘柄が指数の押し下げ要因となりました。また、ソフトウェア関連株も軒並み売られ、業種別指数は2023年11月以来の低水準を記録しています。ニューヨーク証券取引所全体では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3倍以上の比率で上回る全面安の展開となりました。

業種別に広がる売りと今後の市場展望

今回の市場の混乱は、特定のセクターにとどまらず幅広い業種に波及しています。S&P500の主要11業種のうち、特に一般消費財セクターの下げが目立ち、前日比3%を超える下落となりました。レジャー関連では、クルーズ大手のカーニバルが利益見通しの下方修正を発表したことを受けて4.3%下落し、同業のノルウェージャン・クルーズラインも6.9%安と連れ安しています。

一方で、地政学リスクの上昇を受けてエネルギー価格の高騰が意識され、エネルギーセクターは唯一逆行高となりました。また、ディフェンシブ銘柄とされる主要消費財や公共事業セクターには一部で買い戻しの動きも見られましたが、市場全体の冷え込みを補うには至りませんでした。

市場の注目は、依然として中東での軍事作戦の進展と、それが原油価格やインフレに与える影響に集まっています。米取引所の合算出来高は181億3000万株と、直近の平均をやや下回りましたが、週末を控えたポジション調整の売りも重なりました。日経平均先物も米株安を受けて大幅に下落しており、週明けの日本市場への波及も避けられない見通しです。投資家は、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の行方とともに、緊迫する国際情勢が世界経済に及ぼすリスクを慎重に見極める局面が続いています。

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