スズキ「ジムニーノマド」が牽引する国内2位浮上 軽依存からの転換鮮明に

スズキ「ジムニーノマド」が牽引する国内2位浮上 軽依存からの転換鮮明に

自動車販売の業界団体が1日に発表した2025年度の乗用車(軽自動車含む)の国内新車販売台数で、スズキがホンダを抜き2位に浮上しました。

日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会の統計をまとめたもので、スズキの販売台数は前年度比2%増の約60万9000台と4年連続で増加し、比較可能な1993年度以降で2番目の高水準となりました。一方、ホンダは登録車・軽自動車ともに落ち込み、乗用車販売は約58万台で9%減となり、2012年度から維持してきた2位から転落しました。背景には、登録車の伸びと新型SUV「ジムニーノマド」をはじめとするジムニーシリーズの好調があり、軽自動車の減少分を補う構図が鮮明です。

スズキの登録車販売は、2025年度に前年から大幅に増加しました。とくに25年4月3日に発売された多目的スポーツ車(SUV)「ジムニーノマド」は、ジムニーシリーズ初の5ドアモデルとして投入され、発売前から注目を集めていました。ジムニーノマドは本格四輪駆動システムとラダーフレーム構造を受け継ぎながら、ホイールベース延長と後席ドア追加で実用性を高めたことが特徴です。インドのマルチ・スズキの工場で生産し、日本向けに輸入する「逆輸入車」として展開され、価格は265万1000円からと、オフロード性能と価格のバランスが評価されています。

ジムニーノマドなど登録車のジムニーシリーズは、月6000台前後の販売ペースまで伸び、供給が追いつかず一時受注停止に追い込まれるほどの人気となりました。

スズキは2025年10月、ジムニーノマドについて2026年1月下旬にも受注を再開すると発表しており、供給体制の立て直しを急いでいます。同社は従来「軽自動車のスズキ」と評されてきましたが、近年は小型SUVやコンパクトカーなど登録車のラインアップ拡充を進めており、インド生産車の逆輸入拡大がコスト競争力の源泉になっています。2025年の新車販売ランキングでも、スズキは軽の「スペーシア」などが上位に入りつつ、登録車での存在感を高めており、軽依存からの脱却が数字にも現れつつあります。

ホンダ・日産は販売減 競争激化の中で問われる戦略

一方でホンダの2025年国内新車販売は、登録車・軽自動車ともに前年割れとなり、約58万台と9%減少しました。量販クラスの新型車投入が乏しかったことに加え、軽自動車市場では、認証不正問題から販売を持ち直したダイハツに顧客が流れたとみられます。軽自動車の車名別ランキングでは依然として「N-BOX」が首位を守る一方で、スズキ「スペーシア」、ダイハツ「タント」など競合車が追い上げており、軽市場のシェア争いは激しさを増しています。

市場全体を見ると、商用車を含めた2025年の国内新車販売は約453万台と1%減となり、6年連続で500万台を割り込みました。中でも日産自動車は、国内販売台数が約40万台と前年比15%減となり、比較可能な1993年以降で過去最低を記録しました。

新型車不足による販売不振で国内シェアは初めて1割を下回り、2025年内に投入する大型ミニバン「エルグランド」の新型など、新車攻勢が巻き返しのカギとされています。スズキの登録車シフトと逆輸入SUVのヒット、ダイハツの回復、日産・ホンダの苦戦という構図は、国内市場が「軽中心」から「多様なSUV・小型車の競争」へと移りつつあることを象徴しているといえます。

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