
住宅設備大手のTOTOが、ユニットバスとシステムバスの新規受注を停止したことが明らかになりました。 中東情勢の悪化に伴うナフサ供給の停滞で、天井や壁に使うフィルム接着剤や浴槽コーティング剤に含まれる有機溶剤など、一部原材料の調達に支障が出ていることが理由です。 同社は13日付で取引先に通知しており、受注停止の開始は4月13日から、再開時期は未定とされています。 なお、すでに受注済みの案件については生産と出荷を継続し、納期遅延を避けることを優先する方針です。
ナフサは石油を精製する過程で得られる物質で、プラスチックや溶剤などの原料として化学産業の基礎を支える存在です。 日本が輸入するナフサのうち相当部分は中東産に依存しており、イランを巡る武力衝突とホルムズ海峡の事実上の封鎖によって海上輸送が滞る中、石油化学メーカーなどの上流で減産や供給制約が広がっています。 その影響が住宅設備や日用品といった川下分野にも波及し、TOTOのような完成品メーカーで具体的な受注制限という形で顕在化してきました。
今回の発表を受けて、TOTO株は13日の東京市場で一時前週末比8.8%安まで下落し、2024年10月以来の大きな日中下落率を記録しました。 投資家の間では、受注停止が長期化した場合の業績への影響や、他製品への供給制約拡大を懸念する見方が出ています。 また、トイレやウォシュレットについても出荷上限が設けられたとする報道もあり、住宅設備の納期や価格に対する不透明感が強まっています。
住宅設備各社に広がる供給不安 タカラスタンダードやLIXILも警戒
ナフサ不足の影響は、TOTOだけでなく他の建材・住宅設備メーカーにも波及しつつあります。 タカラスタンダードは13日付の文書で、原材料調達が不安定な状況にあるとした上で、この状態が長期化した場合には、製品の納期や数量、価格などに影響が出る可能性を示しました。 具体的な受注停止には踏み込んでいないものの、供給体制に対する警戒感を市場に示した形です。
LIXILも10日、樹脂やアルミニウムなどの原材料価格に加え、物流や生産コストが上昇していると説明し、企業努力だけでは吸収しきれない水準に達していると明かしました。 そのうえで、出荷制限の可能性や価格改定の検討などを想定しているとし、今後の市況次第では、新築・リフォーム需要に直接影響するリスクが意識されています。 13日の市場では、タカラスタンダード株が一時前週末比約6%安、LIXIL株も一時4.7%安まで下落する場面があり、投資家がサプライチェーンリスクを織り込み始めていることがうかがえます。
ナフサ不足を巡っては、石油化学産業が多層的なサプライチェーン構造を持つがゆえに、原料から中間素材、最終製品へと至る各段階で目詰まりが発生していると指摘されています。 日本政府や企業は備蓄放出や中東以外からの代替調達などで対応を急いでいますが、住宅設備や家電、日用品、医薬品など幅広い分野で影響が広がる可能性も取り沙汰されており、今後の調達動向と各社の生産計画が注目されています。








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