
イラン政府は、米国とイスラエルから受けた一連の攻撃による損失が約2700億ドル(日本円で約43兆円)に上ると発表しました。今後の戦況次第でさらに拡大すると警告しています。
発端は2026年2月28日、米国とイスラエルによる大規模空爆です。米軍中央司令部(CENTCOM)によると1000カ所以上が攻撃対象となり、軍事拠点のほか橋や発電所などの民間インフラも広く破壊されました。初日の攻撃でハメネイ最高指導者が死亡し、国防相や革命防衛隊司令官など多数の政府高官も命を落としています。
イランはミサイルと無人機でイスラエルや湾岸各国の米軍基地を攻撃したほか、ホルムズ海峡を封鎖して世界のエネルギー供給網に大きな混乱をもたらしました。
40日間の激闘を経て、米国とイランはパキスタンの仲介のもと4月7日(中東現地時間8日発効)、2週間の一時停戦に合意。しかし停戦は当初から脆弱で、イスラエルはレバノンへの攻撃を継続し、米国防当局も合意が成立しなければ攻撃を再開すると警告していました。
停戦後にイスラマバードで本格的な和平協議を実施しましたが、4月12日に決裂。イランのアラグチ外相は米国が過大な要求を突きつけたうえ合意直前に条件を変えたと非難し、バンス米副大統領は「核兵器放棄の確約をイランから引き出せなかった」と表明しました。交渉決裂を受け、トランプ大統領は米海軍によるイラン港湾の海上封鎖を命令し、緊張は再び高まっています。
イラン側が和平の条件として提示しているのは、攻撃の完全停止・全制裁の解除・ウラン濃縮活動の継続・戦争被害への賠償保証などを盛り込んだ独自の10項目提案です。これに対し、核問題を中心に米国が示した15項目の終結案との溝は依然として大きく、和平交渉の先行きは不透明なままです。
ホルムズ海峡「通航料」と復興財源、和平交渉への影響
注目を集めているのが、ホルムズ海峡の通航料徴収です。イランはすでに「友好国」と見なした船舶に限り、原油1バレルあたり約1ドルの通航料を人民元や暗号資産で徴収することを条件にホルムズ海峡の航行を認めており、収益を戦後復興費用に充てる意図があるとしています。
世界の原油輸送量の約2割を占める同海峡での通航料徴収が本格化すれば、日本を含む輸入国のエネルギーコスト上昇は避けられません。国際海洋法条約が定める航行の自由に反するとして国際社会やオマーンからも批判が上がっており、法的問題もはらんでいます。
停戦の維持も不透明ななか、ホルムズ海峡の安定確保と核問題をめぐる交渉の行方は、世界経済を左右する最大の焦点となっています。








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