
トランプ米大統領は14日、イランとの軍事衝突の終結に向けた交渉が、2日以内にパキスタンで再開される可能性を明らかにしました。トランプ氏は米紙ニューヨーク・ポストのインタビューやFOXニュースの取材に対し、イランとの戦闘は「終わりに近い」との認識を示しており、早期の事態打開に強い意欲を見せています。
米イラン両政府は11〜12日にかけて初回の交渉を行いましたが、合意には至りませんでした。これを受け、トランプ氏は13日にイランが「核兵器を保有しない」ことを明確にすれば合意は可能だと発言し、交渉継続の構えを強調しています。
今回の再交渉において最大の焦点となるのは、イランによるウラン濃縮活動の制限期間です。天然ウランを遠心分離機にかけて核分裂しやすい「ウラン235」の濃度を高める濃縮作業は、原子力発電などの平和利用であれば3〜5%程度で済みますが、核兵器製造には90%以上の高濃縮が必要となります。国際原子力機関(IAEA)の報告によれば、イランは2025年時点で濃縮率60%のウランを440キロあまり保有しており、これは短期間で兵器転用が可能な水準に達しています。
報道によると、米国側は初回の交渉で「今後20年間の濃縮禁止」を要求したのに対し、イラン側は「最長5年」を主張しており、両者の間には大きな隔たりがあります。かつての2015年イラン核合意では、15年間にわたり濃縮率を3.67%以下に制限する内容でしたが、トランプ氏は第1次政権時にこの合意を「不十分」として離脱した経緯があります。
今回の軍事行動を正当化するためにも、トランプ氏としては旧合意を上回る20年以上の長期的な縛りを設けたい考えですが、イラン側は核開発能力を温存するために期間を短縮したい思惑があり、激しい駆け引きが続いています。
国内実績と経済的圧力が絡む複雑な交渉の行方
トランプ氏が交渉を急ぐ背景には、秋に控える米中間選挙への影響があります。オバマ元政権が推進した民主党主導の核合意よりも「優れた合意」を自らの手で勝ち取ったという実績をアピールできれば、選挙戦における大きな追い風となります。そのため、トランプ氏は「20年は気に入らない。イランが勝利したと感じることは望まない」と強気の姿勢を維持し、有権者に対して弱腰な妥協ではないことを強調しています。
一方で、イラン側もトランプ氏の足元を見て揺さぶりをかけています。イラン交渉団を率いるガリバフ国会議長は12日、SNS上で米国内のガソリン価格上昇を揶揄する投稿を行い、挑発的な態度を見せました。イランは原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖をちらつかせることで、エネルギー価格に敏感な米国の世論を煽り、交渉を有利に進める狙いがあるとみられます。
このように、核開発の「期限」を巡る技術的な論点に加え、米国内の政治情勢やエネルギー安全保障といった複数の要因が絡み合う中で、2日以内に予定されるパキスタンでの交渉は、中東情勢の行方を左右する極めて重要な局面を迎えます。双方がどこで折り合いをつけるのか、あるいは決裂して緊張が再燃するのか、国際社会の視線が注がれています。








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