
アメリカとイランの再協議が、パキスタンの首都イスラマバードで19日にも開催される可能性が浮上しています。米メディアが17日に報じたところによると、イランが保有する濃縮ウランを放棄する見返りに、アメリカがイランの凍結資産のうち200億ドル(約3兆1700億円)を解除する案が検討されているということです。協議に詳しい複数の政府高官の話として伝えられており、戦闘終結に向けた大きな進展となるか注目が集まっています。
こうした動きの背景には、中東情勢の急激な変化があります。トランプ大統領の仲介により、イスラエルとレバノンの間で合意された10日間の停戦が、日本時間の17日午前6時から発効しました。これを受けてイランのアラグチ外相は同日、SNSへの投稿で「残りの停戦期間中、全ての商船にホルムズ海峡を全面的に開放する」と表明し、すでに指定している航路を通るよう求めました。
トランプ大統領はこの直後、自身のSNSでイラン側の表明に対して「ありがとう!」と歓迎の意を示しました。しかし同時に、取引が完全に完了するまではイランの港湾に対する海上封鎖を継続すると強調し、「大事な一日だ。どうなるかは分からないが、うまくいくはずだ。合意が署名されたその時点で封鎖は終わる」と述べています。
また、トランプ氏は16日にホワイトハウスで記者団に対し、イランが核兵器を所持しないことや、高濃縮ウランのアメリカへの引き渡しに同意したと主張していました。「イランとは多くの合意があり、非常に前向きで重要な何かが起こると思う」と述べ、合意に近づいているとの認識を示しつつ、「ディール(取引)がなければ戦闘を再開する」とイランに迫っていました。停戦と海上封鎖という飴と鞭を使い分けながら、アメリカはイランからの大幅な譲歩を引き出そうとしています。
トランプ大統領は「金銭の受け渡し」を否定 協議の行方に注目
一方で、トランプ大統領は17日、凍結資産の解除に関する報道を強く否定しました。自身のSNSを更新し、イランが保有する濃縮ウランについては「アメリカがすべて受け取る」と強調した上で、イランとは「金銭の受け渡しは一切しない」と明言しています。巨額の資産解除という譲歩をアメリカ国民や国際社会に印象付けないための発信とみられ、再協議が現実味を帯びる中で、交渉を有利に進めるための双方の駆け引きが激しさを増しています。
現在、イランによるホルムズ海峡の完全開放表明が行われたものの、今後の情勢が不透明なことから、市場や物流の本格的な正常化には至っていません。19日に予定されるパキスタンでの協議で、アメリカがウランの引き渡しを実現させ、中東の安定と世界の物流正常化に向けた最終的な合意に達することができるのか、世界の関心が集中しています。








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