北極の冬の氷が2年連続「過去最少」 衛星が捉えたオホーツク海の異変

北極の冬の氷が2年連続「過去最少」 衛星が捉えたオホーツク海の異変

2026年冬、北極圏の海氷面積が人工衛星による観測が始まった1979年以降で最も小さくなったことが確認されました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と国立極地研究所が2026年4月17日に発表したもので、2025年に続き2年連続で「観測史上最少」の更新です。

北極の海氷は毎年10月から3月にかけて広がり、4月から9月に縮小するサイクルを繰り返します。2026年は最も海氷域が広がった3月13日でも1376万平方キロメートルにとどまりました。これは前年2025年の記録(3月20日、1379万平方キロメートル)をさらに約3万平方キロメートル下回る値です。関東地方の大半に相当する減少となりました。

観測データの分析には、JAXAが2012年5月にH2Aロケット21号機で打ち上げた水循環変動観測衛星「しずく」搭載の高性能マイクロ波放射計(AMSR2)が中心的に使われています。

後継機として2025年6月にH2A最終50号機で打ち上げられた温室効果ガス・水循環観測技術衛星「いぶきGW」(正式名:GOSAT-GW)も、同年10月から定常運用を開始しました。搭載センサ「AMSR3」は海氷・海水・雪をより高精度に識別できる特長を持ち、観測データの一般公開に向けた校正検証も進んでいます。

JAXAと国立極地研究所は、今冬の縮小要因として気温の高さを挙げています。1〜2月にかけてオホーツク海やカナダとグリーンランドの間に位置するバフィン湾・ラブラドール海で平年を大幅に上回る気温が続き、海氷の広がりにくい状態が持続しました。

オホーツク海では2月中旬以降、東〜南東からの暖風が卓越し、2月19日を境に海氷域が逆に減少。これが北極域全体の氷の広がりを抑える一因となりました。

南極氷床も後退、海面上昇や異常気象への影響が焦点に

北極の海氷減少と並行して、南極大陸でも変化が進んでいます。カリフォルニア大学アーバイン校が主導し、欧州宇宙機関(ESA)をはじめとする複数の宇宙機関の衛星データを活用した国際研究では、陸上の氷床と海に浮かぶ棚氷の境界「グラウンディングライン」が1992年から2025年の約30年間で最大42キロメートル後退している地域があると示されました。

西南極のアムンゼン海沿岸は最も後退が著しく、南極全体では同期間に約1万2800平方キロメートルの陸氷が失われています。

北極と南極の変化は、極域だけの問題ではありません。北極海氷の減少は偏西風の蛇行を通じて日本を含む中緯度の異常高温や豪雨、寒波に関わる可能性があると指摘されています。南極氷床の後退は長期的な海面上昇につながり、沿岸部の高潮リスクやインフラへの影響が懸念される課題となっています。

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