トランプ大統領発言前に原油市場で不審な巨額取引、米当局がインサイダー疑惑を調査へ

米国において、イラン紛争を巡るインサイダー取引の深刻な疑惑が浮上しています。トランプ米大統領が2期目に入って以降、SNS等を通じて発表する政策が市場を大きく揺さぶる「トランプ相場」が続いていますが、大統領が投稿する直前に原油先物市場などで不自然な売買が急増しており、米当局も本格的な調査を開始したとされています。
米ブルームバーグ通信等の報道によると、商品先物取引委員会(CFTC)は、インターコンチネンタル取引所のプラットフォームで行われた原油先物取引を精査しています。特に注目されているのは、3月23日の取引です。午前7時5分頃にトランプ氏が「イランの発電所への空爆を5日間延期する」と投稿しましたが、その15分前に数億ドル規模の原油先物が売買される疑惑の取引が発生しました。投稿後に原油価格は急落しており、事前の情報漏えいが疑われています。
また、4月7日にトランプ氏が「2週間の停戦」を投稿した際にも同種の動きがありました。証券取引委員会(SEC)とCFTCに調査を要求した民主党のリッチー・トーレス下院議員は、3月23日の取引規模が通常の9倍に達していたと指摘しました。さらに同議員は4月20日、米国とイランからホルムズ海峡の開放が発表された4月17日の約7億6000万ドル規模の取引も調査対象に加えるよう求めています。
今回の疑惑に対し、CFTCは調査の有無こそ明らかにしていないものの、市場の公正性を損なう行為に対しては、高度な監視システムを用いた厳格な監視を継続する構えです。法律専門家からは、公正な市場を保護するために情報漏えいの徹底的な調査が必要だという声が高まっています。
予測市場でも相次ぐ疑惑、米政府・議会が規制強化に動く
不審な取引は原油先物市場にとどまらず、オンラインの予測市場でも相次いで発覚しています。米コロンビア大学の研究者らは、予測市場大手ポリマーケットにおいて、2024年2月から2026年2月までの間に、インサイダー取引の疑いがある売買で総額約1億4300万ドル(約228億円)の不正利益が発生したとする分析結果を発表しました。
一例として、米国とイスラエルによるイラン攻撃開始日を当てる賭けでは、攻撃開始の24時間以内に新規口座から大金が投じられ、100万ドルの利益を得たケースや、報道の71分前に資金を投じて約55万ドルを稼いだ口座が確認されています。また、ロイターの調査では、輸入関税の引き上げや南米ベネズエラのマドゥロ前大統領の拘束など、少なくとも4件の事例で発表直前に内容を把握していたとみられる取引が見つかりました。
事態を重く見たホワイトハウスは、3月24日付で全職員に対して、非公開情報を利用した予測市場や先物市場での取引は重大な違法行為にあたると警告を発しました。連邦議会でも、超党派の上院議員らが3月に、公務で得た情報を利用した取引を禁じる法案を提出するなど、身元不明のトレーダーによる数百万ドル規模の利益獲得を防ぐための規制強化の動きが急速に広がっています。












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