
総務省が、未成年のSNS依存や有害コンテンツから子どもを守るための新たな規制策づくりに本格的に乗り出しています。 22日に開かれた有識者会議では、SNSの利用開始段階から年齢に応じた制限やフィルタリング機能を組み込むよう事業者に求める案が提示され、関連法の改正も視野に、今夏までに結論を出す方針が示されました。 現在、18歳未満のインターネット利用については「青少年インターネット環境整備法」がSNS事業者に配慮を求める努力義務にとどまっており、保護者が端末側のフィルタリングを解除しても違法とはならないなど、実効性の弱さが指摘されてきました。 こうした課題を踏まえ、総務省は5月にも報告書を取りまとめ、その後はこども家庭庁を中心に、関係省庁が法改正かガイドライン策定かといった対応の方向性を協議するとしています。
新たな対策案の柱となるのが、年齢確認と連動したフィルタリング機能の強化です。 現在、多くのSNSアプリではダウンロード時点で閲覧制限機能がオフになっているケースが多く、未成年の長時間利用や不適切なコンテンツ閲覧を十分に抑えられていません。 総務省は、端末購入時に本人確認を行う通信事業者や、スマートフォンの基本ソフト(OS)を提供する事業者と連携し、年齢情報を活用して、利用開始時点から年齢に応じた制限が自動的に適用される仕組みを想定しています。 あわせて、各SNSサービスのリスクや保護機能を一覧できる評価制度の創設も検討中で、コンテンツの閲覧制限、利用時間の上限設定、広告表示の制限といった機能の有無や水準を整理し、利用者がサービスを選ぶ際の判断材料として公開する案が議論されています。 未成年のSNS依存や、いじめ・性被害などの深刻なトラブルが相次ぐなか、事業者側の自主的取り組みに任せるだけでなく、制度面からの「安全設計」を求める流れが強まっていると言えます。
世界で強まる「子どもとSNS」規制 オーストラリアや米裁判所の動きも影響
未成年のSNS依存や心身への悪影響をめぐる懸念は、日本に限らず世界的な課題になっています。 オーストラリアでは2025年12月10日、16歳未満の子どもによるSNS利用を禁止する法律が施行され、国として世界で初めて年齢に基づきSNS利用を禁じる仕組みが導入されました。 この法律では、FacebookやInstagram、TikTok、X、YouTubeなど主要SNSを対象に、16歳未満の新規アカウント作成や既存アカウントの保有を認めず、事業者に「合理的な年齢確認措置」を義務付けています。 違反したプラットフォームには巨額の罰金が科される可能性があり、世界でも類を見ない強力な規制として注目されています。 欧州連合(EU)でも、各加盟国で未成年のSNS利用に年齢制限や保護者同意を義務付ける動きが広がり、欧州委員会はオンライン上の子どもの安全確保をデジタル政策の優先課題に位置付けています。
一方、アメリカでは司法の場でSNS企業の責任が問われ始めています。米カリフォルニア州ロサンゼルスの地方裁判所では2026年3月、幼い頃からInstagramやYouTubeを利用し依存状態に陥ったと訴えた20歳女性の裁判で、運営会社のメタとグーグルに計600万ドル(約9億5000万〜9億6000万円)の賠償を命じる評決が出ました。 陪審は「子どもがSNS中毒になるような設計だった」と指摘し、アプリの設計や運営に過失があったと認定しています。 これまで米国では、プラットフォーム側の法的責任を問うハードルが高いとされてきましたが、今回の評決は今後の規制強化や企業のビジネスモデル見直しに影響を与える可能性があると報じられています。 日本の総務省も、こうした海外の厳格な規制や司法判断を踏まえつつ、子どもの権利と表現の自由、事業者の負担のバランスをどう取るかが問われている局面です。










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