
不動産経済研究所が発表したデータによると、2025年度における首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の新築マンションの1戸当たり平均価格は、前年度比で15.3%増の9383万円となりました。この数字は5年連続で過去最高を更新しており、都市部を中心とした不動産価格の高騰がますます鮮明になっています。
一方で、発売戸数は2.6%減の2万1659戸にとどまり、4年連続の減少を記録しました。1973年度の調査開始以降で過去最少となり、開発に適した用地の不足による新規供給の減少が依然として続いています。
地域別では、特に東京23区の平均価格が18.5%上昇の1億3784万円に達し、発売戸数は6.8%減の7708戸でした。23区以外の都内でも12.5%高い6823万円を記録しています。また、周辺3県でも価格上昇が進み、神奈川県は13.6%高い7481万円、埼玉県は7%高い6306万円、千葉県は21.8%高い6828万円と、全地区で大幅な伸びを見せています。
千葉県や神奈川県では高額物件の発売が相次ぎ、全体の価格を力強く牽引しました。例えば、大和ハウス工業が2月に船橋駅前で発売した「プレミストタワー船橋」は、51階建てで県内最高層を誇ります。住戸価格は1億1500万〜2億円未満を中心に、最高額は7億2900万円に上ります。高価格帯の物件でありながらも、マンションギャラリーには5カ月間で2600組が来場しました。東京駅まで直通電車で25分という利便性の高さが、20〜40代の現役世代を強く引き付けています。
さらに、東京建物が旧三越千葉店跡地を開発して販売中のJR千葉駅徒歩4分の「ブリリアタワー千葉」(千葉市)も大きな関心を集めており、都心から少し離れたエリアであっても高い資産価値を見込める物件への需要の強さが、首都圏全域で浮き彫りになっています。
中古市場と新築市場の乖離、今後の行方は
「ブリリアタワー千葉」は、12月の引き渡しに向け、5月から第3期3次販売として3LDKで8000万円台の住戸を中心に売り出す予定です。特設サイトでは千葉県内の駅近物件のリセールバリュー(再販価値)の高さを強調し、資産性を意識する若年層に向けて強くアピールしています。販売対象の約480戸のうち約7割が申し込み済みで、30代までの購入層が4割を占めます。東京建物の担当者は「東京までアクセス良好ながら都心部と比べ求めやすい価格なことが人気の一因」と語っています。
一方で、首都圏の中古マンション市場では、実需層の購買力が追いつかなくなってきた兆候も見られます。新規の売り出し価格に対し、価格交渉を経て実際に成立した成約価格の伸びが鈍化しています。東日本不動産流通機構のデータによると、2026年3月の1平方メートルあたり新規売り出し価格は111万円となり、成約価格と1.3倍もの差が開きました。24年同月は売り出し価格が成約価格を下回っていたことを踏まえると、市場の空気が徐々に変化していることが読み取れます。
新築マンション市場を巡っては、中東情勢の悪化などを背景に建材や住宅設備など資材の調達も不安定になっています。今後も価格に一段の上昇圧力がかかる中で、需要との折り合いを探る難しい局面が続きそうです。




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