オンラインカジノ摘発が過去最多 若年層中心に拡大、違法性周知で通報も増加

オンラインカジノ摘発が過去最多 若年層中心に拡大、違法性周知で通報も増加

全国の警察がオンラインカジノの賭博行為で摘発した事件が、2025年に158件と過去最多となり、前年のほぼ3倍に急増したことが警察庁のまとめで分かりました。スマートフォンなどを利用した「無店舗型」のオンラインカジノに関する摘発が大半を占めており、著名人の立件が相次いだことも違法性の認識拡大につながったとみられます。

オンライン上で行われる違法賭博全体の検挙件数は165件、検挙人員は317人に上り、事件数・人数ともに統計開始以来最多となりました。2024年は62件・279人だったことから、事件数は103件増、検挙人員も38人増となっています。こうした動きを受け、警察庁は「オンラインカジノの違法性が広く周知されたことで、利用者本人の自主申告や、家族・周囲による通報が増加した」と分析しています。

日本の刑法は原則として賭博を禁止しており、海外で合法とされるオンラインカジノであっても、日本国内から接続して金銭を賭ければ賭博罪に問われます。警察庁は「オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です」と明確に位置付けており、政府広報もオンラインカジノによる賭博や、その広告・宣伝行為が処罰対象となり得ると注意喚起しています。

警察庁が委託した実態調査では、オンラインカジノの国内利用経験者は約337万人と推計され、違法性を認識していなかった人が4割超に上ることが明らかになりました。年代別では10〜30代の若年層が経験者の約65%を占め、違法性の認知不足のままゲーム感覚で利用を始める実態が浮き彫りになっています。

一方で、摘発件数の多くは賭けを行った個人利用者で占められており、アフィリエイトで集客して広告収入を得る「アフィリエイター」や、決済システムを提供する代行業者など、運営側に関与する事業者の摘発は限定的です。2025年の運営関与側の摘発は8件にとどまり、構造的なビジネスの根絶にはなお距離があるのが現状です。

広告規制強化とサイト削除要請も 依存症・闇バイト流入への懸念

違法なオンラインカジノを巡り、政府はインターネット上の「入り口」をふさぐ対策を強化しています。2025年9月に施行された改正ギャンブル等依存症対策基本法では、オンラインカジノサイトに誘導する広告や宣伝行為を違法と位置付け、規制を一段と強めました。総務省が委託した調査では、改正法の成立・施行を挟んで、オンラインカジノ関連情報のSNS上での目撃・投稿が大きく減少し、投稿数は法改正前の約20分の1程度まで落ち込んだと報告されています。

一方で、海外事業者が運営する日本向けサイトそのものの削除は難航しています。警察庁が委託する「インターネット・ホットラインセンター」は、2025年9〜12月にかけて日本からアクセス可能な違法カジノサイトやアプリ447件の削除を求めましたが、実際に削除されたのは43件、日本から接続できなくなったのは約30サイトにとどまりました。警察幹部は、SNS上の広告や投稿といった接点は減少したものの、「依存状態にある利用者が使い続けるサイトは依然として残っている」として危機感を示しています。

オンラインカジノはスマートフォンから24時間いつでも賭けられることから依存症につながりやすく、短期間で多額の金を失った若者が資金繰りに行き詰まり、闇バイトや特殊詐欺などの犯罪に関与するリスクも指摘されています。海外では、違法なオンラインカジノサイトへのアクセスを強制的に遮断する「ブロッキング」を導入している国もありますが、日本では通信の秘密との関係から導入の是非を巡る慎重な議論が続いています。警察庁は、外務省を通じた海外事業者へのサービス停止要請や、決済代行業者など運営側への捜査強化に加え、若年層向けの啓発や依存症対策の充実を進める方針です。

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