
韓国のソウル警察庁は4月21日、世界的な人気グループ「BTS(防弾少年団)」などを擁する大手エンターテインメント企業「HYBE(ハイブ)」の創業者であり、同社の取締役会議長を務める房時赫(パン・シヒョク)氏について、不正取引の容疑で逮捕状を請求したと発表しました。
近年、BTSの大型イベントがアメリカ・ラスベガスや韓国・釜山で開催され、さらに所属メンバーであるジンを起用した韓国ツナ缶大手の原宿ポップアップストアが対日輸出額を急増させるなど、同社は絶大な経済効果を生み出してきました。それだけに、音楽業界を牽引してきた巨大企業のトップに対する突然の逮捕状請求は、市場に大きな衝撃を与えました。
警察の発表によりますと、容疑の舞台となったのはHYBEの前身である「ビッグヒットエンターテインメント」が新規株式公開(IPO)を控えていた2019年です。房氏は当時、同社の株式を保有していた初期の投資家らに対し、「現時点で上場計画はない」と事実とは異なる虚偽の説明を行いました。その上で、自身の側近が深く関与する投資ファンドへと株式を売却させ、その後に会社を上場させた疑いが持たれています。
さらに、警察の捜査により、房氏と投資ファンド側との間に事前の非公開契約が存在していたことが判明しました。この秘密裏の合意に基づき、房氏は会社の上場後に発生した株式の売却益のうち、30%を成功報酬のように受け取っていたとされています。警察は、この一連の詐欺的な不正取引によって房氏が得た不当な利益の総額は、約2000億ウォン(日本円にして約216億円)に上るとみて捜査を進めてきました。判決確定後の追徴に備え、房氏の保有株の仮差し押さえ手続きも報じられるなど、事態は深刻化の様相を呈していました。
検察による逮捕状の差し戻しと揺れる経営体制への影響
しかし、警察による逮捕状請求からわずか数日後の4月24日、ソウル南部地検は、房氏に対する逮捕状請求を差し戻したことを明らかにしました。検察は、現段階では「身柄を拘束する必要性についての説明や立証が不十分である」と判断し、警察に対して補完捜査を求めています。これにより、房氏の即時の身柄拘束は回避されたものの、依然として厳しい捜査が続く見通しです。
HYBEは現在、経営のグローバルな専門性を強化するため、ディズニー出身者を含む2人の新たな取締役を選任したばかりでした。その一方で、傘下レーベルの所属アーティストである「ニュージーンズ」の事務所が、メンバーのダニエルらに対して巨額の賠償請求を行い、弁論準備手続きが開始されるなど、内部でのトラブルも相次いで表面化しています。巨大エンターテインメント企業のガバナンスが問われる中、今後の司法の判断と経営の行方に世界中から注目が集まっています。
HYBEの創業者・房時赫氏についてのその他記事は下記をお読みください。
https://tokyonewsmedia.com/archives/tag/hybe





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