
高市早苗首相は4月23日、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と電話会談し、日本へのエネルギー供給拡大への協力を要請しました。ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続くなか、皇太子は「前向きに対応していきたい」との意向を示しています。
電話会談は、同日午前11時から約30分間行われました。昨年10月の首相就任以降、皇太子との直接の電話会談は今回が初めてです。首相は、サウジアラビアが紅海側のヤンブー港を経由して日本への原油供給を継続していることに謝意を表明。さらに、原油を含むエネルギー全般の供給拡大を要請しました。
また首相は、停戦の維持とホルムズ海峡の安全確保を最優先としつつ、米・イラン両国が話し合いを通じて最終合意に至ることが重要と強調しています。サウジアラビアが仲介国パキスタンとともに外交的解決に向け尽力していることへの敬意を示したうえで、日本も国際社会と連携して粘り強く外交努力を続けると述べました。皇太子は事態安定化に向けて「日本とも協力したい」と応じています。
首相は、イランによる攻撃でサウジ国内に人的・物的被害が生じていることへの見舞いの意を示し、周辺国に滞在していた邦人の出国に際して協力が得られたことへの謝意も伝えました。
今回の事態の発端は、2026年2月28日に米国とイスラエルがイランへの大規模軍事攻撃を開始したことです。イランは反発して船舶への攻撃・威嚇を開始し、3月2日頃から商業通航がほぼ停止状態に陥りました。
攻撃前日の2月27日に95隻が通過していたホルムズ海峡の航行船舶数は、3月1日に7隻まで激減しました。世界の原油取引量の約34%が通過するこの要衝の封鎖は、世界のエネルギー市場に深刻な影響を及ぼしています。
サウジ依存が深まる日本のエネルギー事情
日本の原油輸入における中東依存度は2025年時点で約94%に達しており、ホルムズ海峡への依存が特に深刻です。封鎖前の2025年の国別輸入シェアはUAEが43.3%で最大、サウジアラビアが39.3%で2位でした。封鎖後はサウジからの紅海経由供給が急増。2026年1月にはサウジが日本の原油輸入全体の54.1%を占めるに至っています。
サウジアラビアは東部油田地帯から紅海沿岸のヤンブー港を結ぶ全長約1,200kmのパイプライン(輸送能力500〜700万バレル/日)を通じ、代替輸出を大幅に拡大しています。しかし輸送能力には上限があり、イランによる施設攻撃リスクも残る状況です。エネルギー安全保障上の課題が山積するなか、今回の首脳会談はその突破口を開く一歩として注目されます。












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