
政府は年内改定を目指す安全保障関連3文書に、ドローン(無人航空機)の量産に向けた国内生産基盤の構築を盛り込む検討に入りました。技術を持つスタートアップ(新興企業)の参入を促し、有事の際に自衛隊へ国内から安定供給できる体制を整える狙いです。
また自民党も4月22日、党の安全保障調査会(浜田靖一調査会長)で安保3文書改定に向けた論点整理に着手しました。AIや無人機の活用、敵の射程外から対処するスタンド・オフ防衛能力を「非対称的な防衛力」の中核に位置づけ、ドローンなど無人アセットの国産化推進も検討課題に挙げています。自民は5月にも政府への提言をとりまとめる方針です。
ウクライナや中東など近年の紛争では安価なドローンが大量に使われており、日本も有事に備えた自前確保が防衛力に直結するとの認識が高まっています。数十万円のドローンが数億円規模の兵器を無力化する事例も相次いでおり、低コストで大量運用できるドローンは戦局を左右する存在です。
経済産業省はすでにドローンを経済安全保障推進法上の「特定重要物資」に指定しており、2030年までに国内で約8万台を量産できる体制の整備を目標に掲げています。
2025年度補正予算には今後3年間の支援を念頭に139億円を計上し、2026年中に基金を設ける方針です。研究開発や設備投資費用を最大50%助成するほか、複数企業が部品を融通しやすくする共通化も支援対象とします。
防衛省も2026年度予算に小型ドローンの大量調達費として約1,001億円を計上しており、無人アセット全体では約2,773億円にのぼります。また防衛省と経産省は、スタートアップを含む民間企業が参入しやすい「デュアルユース(軍民両用)」の環境整備も進めており、防衛契約の複雑さによる心理的負担を軽減するため、専門窓口での伴走支援体制も整える方針です。
国産ドローン企業、防衛市場へ本格参入
防衛分野では、ACSLやテラドローンなど国内スタートアップが先行しています。ACSLは国産のセキュアな小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」を開発し、2024年3月に航空自衛隊の空撮用ドローンとして採用されました。同社は防衛省を含めた政府調達に注力しており、脱中国製品を背景にしたドローン需要の拡大を見据えています。
テラドローンは2026年3月31日、ウクライナで迎撃ドローンの開発・製造を行うアメイジング・ドローンズ社(ハルキウ拠点)に戦略的出資を実施し、迎撃ドローン「Terra A1」の発売を開始しました。両社の動きは、政府が推進するスタートアップ活用策と軌を一にしており、国産ドローンの防衛分野への本格参入が加速しています。










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