キーエンス・創業者の滝崎武光氏が6月で取締役退任 引き続き名誉会長として経営や人材育成で助言
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制御機器大手であるキーエンスの成長を長きにわたり牽引してきた名誉会長の滝崎武光氏(80)が、本年6月12日に開催される株主総会をもって、現在の取締役職から離れることが4月24日に明らかになりました。今後は役員陣からは外れるものの名誉会長職に専念し、次世代リーダーの育成や経営へのアドバイスを通じて同社を後方からサポートしていく方針です。
日本を代表する通信大手であるNTTを凌ぎ、15兆円以上の時価総額を誇る同社ですが、その輝かしい歴史は滝崎武光氏が1974年に兵庫県尼崎市で立ち上げたリード電機という企業からスタートしました。1986年には現在の社名へと変更し、2000年まで社長として最前線で指揮を執り続けています。自社で生産設備を持たない「ファブレス体制」や、代理店を一切介さずに顧客の課題を直接ヒアリングする「直販営業」という独自のスタイルを徹底して確立させました。その結果として営業利益率54.1%という、国内製造業の平均値(3.4%)を大きく逸脱する驚異的なビジネスモデルを作り上げています。
2015年より代表権を持たない名誉会長に就任してからも、同氏の影響力とカリスマ性は健在でした。経済誌フォーブスがまとめた25年版の世界長者番付では日本国内3位に名を連ねるなど、稀代の起業家として国内外から高い評価を受けています。
同日に大阪市で実施された決算会見にて、中野鉄也社長は今回の退任の経緯について言及しました。役員会では常に分け隔てのない意見交換を行ってきたと振り返りつつ、今回の決定は本人の意向を尊重したものであると説明。「氏が役員陣から外れたとしても、組織は揺るぎなく機能し続ける」と述べ、今後の安定経営に強い自信をのぞかせました。
過去最高を塗り替える圧倒的な業績と、創業者退任後の行方
経営体制の大きな転換点が発表された24日、同時に公表された26年3月期の通期連結決算は、同社の凄まじい集金力をまざまざと見せつける内容でした。全体の売上高は1兆1692億円(前年同期比10.4%増)まで膨らみ、最終的なもうけを示す純利益も4451億円(同11.7%増)に着地するなど、すべての主要指標において過去最高益の更新を達成しています。
また、Yahoo!ファイナンスの企業データを見ても、本業の儲けである営業利益が5957億円(同8.4%増)に到達しており、とりわけ海外市場での売上伸長(13.5%増)がグループ全体のパフォーマンスを力強く後押ししていることがわかります。
長年にわたり企業の精神的支柱であった創業者が取締役から退くことで、一つの時代が幕を下ろすことになります。しかし、同社内で徹底的に言語化され共有されたコンサルティング営業のメソッドや製品開発力は、すでに属人的なものを超え、強固なシステムとして確立しています。新体制下においても、グローバル市場でのさらなるシェア拡大と高収益路線の継続が強く期待されています。
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