
アジア時間27日の取引において、原油相場の上昇が一旦落ち着きを見せています。しかし、依然として価格は高値圏で推移しており、北海ブレント6月限は一時1バレル=107.97ドルに達しました。また、米ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)も一時98ドル台まで上昇し、10日ぶりの高値水準となりました。その後、イランがホルムズ海峡の通航再開と戦争終結に向けた新たな合意案を米国に提示したとの報道を受け、価格の上げ幅は一部縮小しています。
現在、米国とイランの双方によるホルムズ海峡の封鎖により、世界の重要なエネルギーの要衝はほぼ通航不能な状態に陥っています。この影響で原油や天然ガスの供給が滞り、インフレ危機への懸念が急速に高まっています。停戦は4月初旬以降おおむね維持されているものの、外交交渉は極めて難航しています。トランプ米大統領は週末、パキスタンへの特使を含む米代表団の派遣中止を決定しました。大統領は、イラン側から「新たな優れた提案」が示されたことを明らかにした一方で、その内容は「不十分だ」と述べています。
一方、イランのペゼシュキアン大統領も、米国の海上封鎖に対して強く反発しており、「脅しや封鎖の下で押し付けられる交渉」には応じないとの姿勢を明確にしています。パキスタンの仲介者を通じて伝えられたイラン側の提案は、戦闘の恒久停止に向けた停戦延長を求める一方で、核協議については米国の封鎖解除を前提とする内容だとされています。
みずほセキュリティーズなどの市場関係者は、原油価格は今後も100ドル超でのもみ合いが続くと分析しています。早期の事態収束を望む声がある一方で、米イラン共に相手が先に折れるのを期待して圧力をかけ続ける構図は変わらず、時間の経過とともに早期合意に至る可能性は低下しつつあります。米国中央軍の発表によれば、米軍は封鎖の一環としてアラビア海で制裁対象の船舶を拿捕しており、一触即発の厳しい状況が依然として継続しています。
長期化するホルムズ海峡封鎖と世界経済への影響
ホルムズ海峡の管理を巡る米国とイランの対立が長期化するにつれて、世界経済への打撃は計り知れないものとなりつつあります。エネルギー専門家やトレーダーたちは、封鎖がさらに長引けば、原油供給が少なくとも10%減少する状況に見舞われ、各国の需要も下方調整を余儀なくされると指摘しています。これは、各国が紛争後に放出した緊急備蓄の2倍以上に相当する10億バレルの供給喪失を意味しており、世界的な需要破壊が広がる可能性が高まっています。
両国の直接協議は実現しておらず、水面下では条件闘争が繰り広げられていることが示唆されています。双方が全面的な軍事衝突への発展を避けようとしているものの、膠着状態を打開する明確な道筋は見えていません。このまま供給ショックが継続すれば、各国の物価高騰を招き、世界的なインフレ危機と経済成長の停滞を同時に引き起こすスタグフレーションのリスクがさらに現実味を帯びることになります。
ホルムズ海峡封鎖に関するニュースは下記をお読みください。
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