
5月1日午前、円相場は下落に転じました。前日である4月30日の夜には、外国為替市場で一時1ドル=160円台後半と約1年9カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた後、政府・日本銀行が円買い・ドル売りの為替介入を実施したとみられ、円は対ドルで3%上昇し、一時155円台半ばまで急騰しました。市場関係者の推計では、今回の為替介入は5兆円から6兆円規模に上る可能性があるとされています。
片山財務相などが「断固たる措置」として介入の可能性を強く示唆する中での急変動となりましたが、通貨当局のトップは介入の事実を明確には確認していません。しかし、事情に詳しい関係者は、日本当局が市場に介入したことを明らかにしており、別の関係者によれば、この動きは事前に米国の経済当局にも通知されていたとのことです。
介入によって押し上げられた円の勢いが急速に消えるリスクが高まる中、日本当局が相場を下支えするために再び市場介入を行う可能性が強まっています。円の上昇分が失われる展開となれば、2024年のこの時期に見られたパターンに沿うことになり得ます。当時も、日本は急激な円安に対応するために複数回にわたって市場に介入を行いました。
財務省の三村淳財務官は5月1日午前、前日に実施されたとみられる為替介入に関して、「そうしたことについてコメントするつもりはない」と述べるにとどめました。その一方で、「大型連休はまだまだ序盤だと認識している」と強調し、さらなる為替介入に踏み切る可能性を強く示唆しました。また、為替政策に関しては、米国と極めて緊密に連絡をとっており、両国の間で認識は共有できているとも語っています。
さらに、原油先物市場への介入についても、必要があれば対応できるよう体制を整備していると明らかにしており、あらゆる手段を排除しない姿勢を鮮明にしています。日本時間の午前11時52分時点では、円は1ドル=157円31銭前後で推移しており、神経質な展開が続いています。
投機的な動きへの警戒と市場関係者の見方
ロンドンとニューヨークの原油先物市場は下落の動きを見せましたが、これが日本の為替介入と直接的に関連しているかどうかは不明です。しかし、日本当局は最近の円安進行の一因として、原油先物市場などにおける投機的な動きを繰り返し指摘しており、強い警戒感を示しています。
コモンウェルス銀行のストラテジストであるキャロル・コン氏は、「160円が日本の財務省にとっての防衛ラインであるとの見方を、今回の値動きがさらに強めている」と分析しています。その上で同氏は、「ただ、イラン戦争の再激化リスクや、日銀の利上げに対する慎重な姿勢を踏まえると、ドルは近く回復する公算が大きい。そのため、今回の介入は初回に過ぎない可能性がある」と述べ、日本当局による複数回の介入が今後も続く可能性を指摘しています。世界的な関心が集まる中、連休中のさらなる動きに市場の緊張が高まっています。




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