
対話型AI「Claude」を手がける米AI開発企業アンソロピックが、企業価値9000億ドル(約144兆円)超と評価する新たな資金調達ラウンドの検討を始めたことが明らかになりました。ブルームバーグ・ニュースが事情に詳しい関係者の話として4月29日に報じました。実現すれば、長年の競合であるOpenAIを抜き、世界で最も評価額の高いAIスタートアップとなる可能性があります。
同社は現在の評価額の2倍超に引き上げる投資家からの提案を検討しており、検討はごく初期段階にあります。アンソロピックは2月に実施した資金調達ラウンドで評価額3800億ドル(約58兆円)に達しており、今回の提案はその2倍以上の水準となります。これまで同社は8000億ドル以上の評価額での新規資金調達に関する複数の提案を退けてきた経緯があります。
グーグルは最近、アンソロピックに対し評価額3500億ドルで100億ドルの投資を決めたばかりです。さらに同社が一定の業績目標を達成した場合、グーグルは最大300億ドルを追加投資する計画を持っています。一方、アマゾン・ドット・コムも同じく評価額3500億ドルで50億ドルを投資しており、今後段階的に200億ドルを追加出資する計画があります。
2021年にOpenAIの元社員らが創業したアンソロピックは、その後AI分野の有力企業として台頭しました。コーディングやサイバーセキュリティーなど企業の業務処理方法を刷新することを目指した一連のAIツールを開発しています。4月上旬には、新たなモデル「Mythos(ミュトス)」を発表し、幅広い重要ソフトウェアの脆弱性を検出する能力を持つとされています。同社は危険性が高いとして一般公開を見送り、限定された企業に対して自社システムでの試験利用を認めています。
競争激化でIPOも視野に
アンソロピックは製品需要の拡大に対応するため、インフラの拡充を進めており、早ければ10月の新規株式公開(IPO)を検討していると報じられています。一方、OpenAIも今年中にも株式公開すると広く見込まれており、直近の3月に完了した資金調達ラウンドで企業価値は8520億ドルと評価されました。ただしOpenAIはアンソロピックやグーグルとの競争を背景に、売上高や利用者数の目標の一部を達成できていないとの報道もあります。





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