ミツカン納豆、6月から最大2割値上げ ナフサ高騰が「金のつぶ」を直撃

ミツカン納豆、6月から最大2割値上げ ナフサ高騰が「金のつぶ」を直撃

大手食品メーカーのミツカン(愛知県半田市)は、納豆全19商品について6月1日出荷分から税別参考小売価格を6〜20%引き上げると発表しました。 対象には主力ブランド「金のつぶ」シリーズも含まれ、「金のつぶ たれたっぷり!たまご醤油たれ」や「金のつぶ パキッ!とたれ とろっ豆」の価格は218円から261円へと約2割の値上げとなります。 値上げの理由は、大豆など原材料の上昇に加え、納豆パックや包装フィルムの原料となるナフサ価格の高騰で、容器コストが大きく膨らんでいるためです。

ナフサは原油を精製して得られる石油化学製品で、プラスチック容器やフィルムといった包装資材の原料として広く使われています。 日本ではナフサの約6割を輸入に頼り、そのうち7割前後を中東から調達しており、原料となる原油も9割以上を中東に依存していることから、実質的な中東依存度は8割に達するとされています。 中東情勢の緊迫化や航路の不安定化が続くなかでナフサの価格や調達環境が悪化し、それが納豆容器を含む石油化学製品全般のコスト上昇につながっている形です。

ミツカンはこれまで、生産効率の改善や物流の見直しなどでコスト増を吸収してきましたが、「企業努力だけでは吸収が困難な水準に達した」として、今回の価格転嫁に踏み切りました。 同時に、「金のつぶ 梅風味黒酢たれ」など4商品については、5月1日から販売を休止しており、再開時期は未定としています。 販売を再開する場合には、他の納豆商品と同様に値上げ対象とする方針で、結果として全19品目が値上げの影響を受ける見通しです。

中東依存のナフサ高騰、身近な食品の物価押し上げ要因に

ナフサ価格の高騰はミツカンの納豆に限らず、食品包装や日用品など幅広い分野に影響を及ぼしています。 政府や業界団体の資料では、日本のナフサは国内精製分を含めて「実質的に8割以上が中東由来」と分析されており、原油価格の変動や中東の地政学リスクが、プラスチック製品のコストを通じて生活必需品の価格に波及しやすい構造が浮き彫りになっています。 公明党なども、ナフサ供給の混乱が食品包装やごみ袋、衣類、塗料など生活に密着した製品全般に影響を与えうると指摘し、供給不安の緩和策を政府に求めています。

こうした中、帝国データバンクがまとめた飲食料品の値上げ動向によると、2026年は9月までに6000品目超の値上げが予定されるなど、食品の「値上げラッシュ」はなお続いています。 今回のミツカンの決定は、ナフサ供給不安が本格化するなかで、包装資材のコスト増が具体的に店頭価格に反映された象徴的なケースといえます。 ミツカンは「今後も原材料費などの動向によっては、さらなる価格改定や供給体制への影響が生じる可能性がある」としており、消費者の生活に身近な納豆市場でも、情勢次第では追加の価格見直しや商品構成の再編が進む可能性があります。

一方で、政府はナフサを含む燃料油・石油製品の安定供給を確保するため、調達先の多角化や備蓄の強化を課題として掲げていますが、中東依存度の高さゆえに短期間で構造を転換することは難しいのが現状です。 食料品の値上げが家計を圧迫するなか、賃上げや物価高対策がどこまで実質所得の目減りを補えるのか、引き続き注目されます。

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