
政府・日本銀行による4月30日の円買い・ドル売り為替介入について、市場ではその実施額が5兆円規模に上ったとの観測が強まっています。日銀が5月1日に公表した7日の当座預金残高の見通しにおいて、為替介入が反映される「財政等要因」が9兆4800億円の減少になるとの予想が示されました。介入がない前提で短資会社がはじき出した事前予想は4兆〜4兆5000億円の減少であったため、この公表値との差額にあたる約5兆円がおおよその介入実施額と推測されています。
為替介入は財務省が判断し、日銀が実行に移します。円買い介入が行われると、日銀が市場から円を買い上げて国庫に資金が移るため、民間金融機関が日銀に預けている当座預金の残高が減少します。為替取引の決済は2営業日後に行われるため、4月30日の介入による影響は、休日を挟んだ5月7日の残高に表れる仕組みです。
今回の介入の大きな特徴は、政府高官による異例の「予告」があった点にあります。片山さつき財務相が介入直前に「いよいよ断固たる措置をとるタイミングが近づいている」と発言したことに続き、三村淳財務官が「最後の退避勧告だ」と強く踏み込んだ発言を行いました。オーストラリア・ニュージーランド銀行の町田広之ディレクターは「介入警戒感を高めた後に実弾介入へ踏み切ることで、円買い・ドル売りの動きを増幅させる狙いがあったのではないか」と分析しています。
実際、1ドル=160円70銭台まで下落していた対ドルの円相場は、両氏の発言を受けて159円台前半まで上昇し、その後の「実弾介入」によって一時155円50銭台まで、最大で5円ほど急伸しました。このような二段構えの介入策により、投機筋は積み上げていた円売りの持ち高を徐々に落裁ざるを得なくなったとの見方が市場に広がっています。
乱高下続く為替市場と今後の追加介入への警戒感
介入から一夜明けた5月1日の東京市場では、円相場の上昇が一旦落ち着きを見せ、対ドルで1ドル=157円台前半まで再び下落しました。しかし、夕方には155円台半ばまで短時間で急騰する場面も見られ、2カ月ぶりとなる円高・ドル安水準をつけるなど、連日の乱高下に神経質な状況が続いています。一部の市場関係者の間では、再び小規模な円買い介入が実施されたのではないかとの見方も浮上しました。
三村財務官は1日午前、円買い介入の実施について「そうしたことについてコメントするつもりはない」と明言を避けました。その一方で「大型連休はまだまだ序盤だと認識している」とも述べ、休日中の追加介入に含みを持たせています。野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストらが指摘するように、市場では「158〜159円台で追加介入があるのでは」と警戒する声も上がっています。
なお、過去の直近の介入実績を見ると、2024年7月11日、12日が2日間合計で5兆5348億円、前々回の4月29日、5月1日は合計9兆7885億円規模でした。しかし、日米の金利差を背景とした構造的な円売り圧力は当面変わらないとみられており、市場では「介入の効果は一時的なものにとどまる」との冷ややかな声も聞かれます。










の看板-280x210.jpg)

-300x169.jpg)