HPVワクチン、男性への定期接種めぐり議論加速 国会で必要性訴え

国会で、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの男性への定期接種化を求める声が強まっています。参議院予算委員会で自民党の三原じゅん子議員は、女性だけでなく男性も対象とする制度の必要性を訴え、政府の対応をただしました。

HPVは子宮頸がんの主な原因とされ、日本では年間およそ1万人が新たに発症し、約3000人が亡くなるとされています。現在、日本では小学6年生から高校1年生の女子を対象に公費による定期接種が行われていますが、男性は対象外です。

三原議員は、過去に接種後の体調不良を訴える声が広がり、接種の積極的勧奨が一時中止された経緯にも触れました。その影響で接種率は大きく低下しましたが、2022年に勧奨が再開され、現在は回復傾向にあると説明しました。

そのうえで、HPVは男性にも中咽頭がんや肛門がんなどを引き起こす可能性があるとし、「男女ともに接種することで感染拡大を抑えられる」と強調しました。さらに、世界では80か国以上が男性への定期接種を導入しており、G7で未導入なのは日本のみだと指摘しました。

一方、政府側は慎重な姿勢を崩していません。厚生労働省は、男性への接種はすでに任意では可能としつつも、定期接種化については費用対効果や対象疾病の範囲などに課題があると説明しています。

費用対効果と制度課題、政府は慎重姿勢

上野厚生労働大臣は国会で、「男性への定期接種については審議会で議論を続けている」と述べ、現時点で導入時期を明示することは難しいとしました。また、女性に比べて対象となる疾病が限定的である点から、費用対効果の評価が課題になっているとしています。

ただ、専門家や患者団体からは早期導入を求める声が上がっており、議論の停滞を懸念する指摘も出ています。審議会は最新の科学的データの収集を進めているとされ、今後の議論の進展が注目されます。

HPVワクチンをめぐっては、個人の健康だけでなく社会全体で感染を抑える観点も重要視されています。男女双方への接種拡大が実現するかどうか、日本の公衆衛生政策の大きな焦点となっています。

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