
高市早苗首相は5月4日、オーストラリアの首都キャンベラでアルバニージー首相と会談し、「経済安全保障協力に関する日豪共同宣言」に署名しました。宣言では、レアアース(希土類)など重要鉱物の共同開発について、6事業を優先対象に指定。日豪両政府が投資や助成金を通じて支援することが明記されています。
会談は約1時間20分行われ、冒頭の約30分間は少人数会談として実施されました。両首脳は会談後の共同記者発表で、次回の首脳会談までに経済・安全保障分野での協力策を具体化するよう閣僚に指示する方針で一致したと明らかにしています。
また、イラン情勢を含む中東情勢について、ホルムズ海峡の自由で安全な航行確保の重要性を確認しました。事態の早期沈静化に向けて、引き続き緊密に協力していくことで一致しています。
中国による2026年1月の輸出管理強化を受け、両首脳は重要鉱物協力強化に関する共同声明を発表しました。声明では「重要鉱物を両国の経済安全保障関係の中核的な柱として格上げする」と明記。優先対象となる6事業には、双日とエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の共同出資会社が手掛けるレアアース生産などが含まれます。
これら6事業は、両政府による「さらなる投資・助成金支援」を受けることが可能です。オーストラリアでの開発にかかる許認可手続きも迅速に進められることになります。
エネルギー安全保障でも連携を強化
両首脳は中東情勢を踏まえ、エネルギーに関する共同声明も発表しました。日本は液化天然ガス(LNG)の約4割、石炭の約6割をオーストラリアから輸入しており、両国はこうした関係を踏まえて地域のエネルギー供給網について協力することで合意しました。
経済安全保障に関する日豪共同宣言では、両国の役割が明確化されています。オーストラリアは日本にとって鉱物・エネルギーの最も安定的な供給国として役割を果たす一方、日本はサプライチェーン構築を支援する重要な投資元との認識を確認しました。
宣言では「経済的、技術的な強靱性が国家安全保障の基盤である」と指摘しています。地政学的緊張などの緊急事態には二国間で情報共有や協議を通じて対応すると明示しました。
さらに、「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」などの枠組みを通じた供給網の構築や、経済的威圧への対処も盛り込まれました。環太平洋経済連携協定(TPP)が経済的な繁栄につながるとして、その取り組みを強化することでも一致しています。












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