
アメリカ・ニューヨークで、マンハッタン中心部とジョン・F・ケネディ国際空港(JFK)を結ぶ「空飛ぶタクシー」の実証飛行が行われ、都市交通の新たな選択肢として注目を集めています。電動の垂直離着陸機「eVTOL(イーブイトール)」を用いたこのサービスは、渋滞が慢性化するニューヨークにおいて、移動時間と環境負荷の双方を大幅に抑えることを目指すものです。
実証飛行を行っているのは、トヨタ自動車も出資する米新興企業ジョビー・アビエーションです。電動エアタクシーをマンハッタンとJFK間で飛行させる取り組みは同地域で初めてとされています。公開された機体は6つのプロペラを備えた電動機で、ヘリコプターのように垂直に離着陸でき、パイロットを含めて5人まで搭乗可能です。最高速度は時速約320キロの性能を持ちます。
マンハッタンとJFKの距離は約32キロで、車で1〜2時間ほどかかりますが、エアタクシーの利用により移動時間は10分未満に短縮されるとされています。実証飛行は4月下旬に約1週間にわたり実施されました。
運賃設定は、座席あたり約200ドル(約3万1000円)前後になると予想されており、時間を優先するビジネス客や富裕層を主なターゲットとした価格帯になりそうです。
これまでマンハッタンと空港を結んできたヘリコプターは、騒音や排ガスが問題視されてきました。しかし、電動エアタクシーは飛行音を従来より大幅に抑え、ゼロエミッションで運航可能です。
ジョビー社によると、着陸時の騒音は高度約100メートルで65〜70デシベル程度となっており、都市の環境音に溶け込むレベルだといいます。開発企業は、既存のヘリコプター路線を代替しつつ、将来的には都市内の短距離移動を補完するインフラとしての活用も視野に入れています。
実用化へ最終段階 各国の都市交通に影響も
サービス開始には米連邦航空局(FAA)の認証が不可欠で、現在は5段階ある認証プロセスの最終段階に入っています。ジョビー社は2026年後半までに型式証明の取得を目指しており、取得できればニューヨークでの商業運航開始が視野に入ります。
こうした動きは、日本を含む各国の都市交通政策にも影響を与える可能性があります。日本国内でも空飛ぶクルマの実証や導入計画が進められており、ニューヨークでの取り組みは運賃設定やルート設計、住民合意形成など、具体的な検討の参考事例となりそうです。交通渋滞や環境負荷を抱える大都市にとって、空を活用した新たなモビリティの実用化が現実味を帯びてきました。





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