
米国際貿易裁判所は5月7日、トランプ大統領が発動した新たな10%の追加関税について、大統領権限を逸脱した違法なものであるとの判断を下しました。この判決は、2月に連邦最高裁が相互関税を違憲としたことを受けて導入された代替措置に対するもので、中間選挙を控える政権にとって大きな打撃となっています。
トランプ大統領は2月20日、連邦最高裁が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく相互関税を違憲と判断したことを受け、代替措置として1974年通商法122条に基づく10%の追加関税を発動していました。この新関税は2月24日から150日間の期限付きで、世界各国・地域に一律で適用されるものでした。
通商法122条は本来、深刻な国際収支の危機が発生し米国が通貨防衛を迫られた際に、150日間限定で最大15%の関税を発動できると定めています。しかし今回の訴訟で原告側は、変動相場制のもとでは深刻な国際収支の危機は発生し得ないと主張しました。4月の口頭弁論では、裁判所が輸入が輸出を上回る貿易赤字だけで通商法122条を発動する根拠になるとする政権の主張に疑問を呈していました。
原告側は、トランプ大統領が法律の条文にある「国際収支」を「貿易収支」に読み替えて10%の追加関税を発動したことは誤りであり、大統領としての権限を越えた行為だと主張していました。米国際貿易裁判所は今回の判決で、10%関税は通商法122条が想定する要件を満たしておらず『法律上の権限を欠く違法なもの』と判断しました。
司法判断が相次ぐトランプ関税政策
トランプ政権の関税政策は昨年以降、法廷闘争が続いてきました。連邦最高裁は2月20日、トランプ大統領が国際緊急経済権限法を根拠として発動した広範な相互関税について、大統領の権限を逸脱する違憲な措置であるとの判決を6対3で下していました。最高裁は関税を含む課税権は原則として議会が持つことを確認した上で、法律が大統領に例外的な関税の課税権限を明確に付与しているかに焦点を当てて判断しました。
トランプ大統領は最高裁判決を受けて直ちに通商法122条に基づく代替関税を発動しましたが、今回の貿易裁判所の判断により、政権の看板政策は再び司法の壁に直面する形となりました。民主党が主導する24州や小規模事業者2社が違法だとして提訴していたもので、今後の政権運営や中間選挙に向けた影響が注目されます。









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