
日産車体の6月の定時株主総会に向け、アクティビストのストラテジックキャピタル(東京・港)が株主提案に動きます。「少数株主を軽視している」として、利益剰余金を全額配当に充てることなど2項目を提案しました。
日産車体はSUVや商用車を親会社の日産自動車向けに製造する完成車メーカーです。東証スタンダード市場に上場し、日産自動車が議決権の50%を保有する親子上場の状態にあります。売上高の9割超を親会社に依存する構造が続いており、ストラテジックキャピタルは収益性や株価が親会社の業績に大きく左右されていると問題視しています。
今回の提案では、まず日産車体が積み増してきた「別途積立金」を取り崩し、そのうえで分配可能額の全額を特別配当に充てるよう求めました。ストラテジックキャピタル側の試算では、これらが全て認められた場合、1株当たり配当は1044円となります。会社側が示す2026年3月期の年間配当予想13円から大幅に引き上がる格好です。
背景には、日産車体の財務基盤が厚いにもかかわらず、少数株主の利益が損なわれてきたという問題意識があります。
ストラテジックキャピタルは2025年9月末時点で日産車体株の約3.4%を保有しています。日産車体への株主提案は2024年以来2回目で、前回は少数株主保護委員会の設置を求めましたが、否決されました。それでも同社は、少数株主の権利保護を継続的に求める姿勢を崩していません。
日産グループのガバナンスに波及も 親子上場見直しの機運を占う一手
今回の提案は、日産自動車とその上場子会社をめぐるガバナンス問題とも密接に絡みます。ストラテジックキャピタルはこれまで日産自動車に対しても、上場関係会社の株式保有の是非を年1回以上検証し、売却も視野に入れた対応方針の開示を株主提案で求めてきました。2026年は日産自動車本体への提案を見送り、日産車体への還元強化に焦点を絞る方針です。
親会社が上場子会社に強い影響力を持ちながら少数株主との利害調整が不十分な「親子上場」の構図は、東証が少数株主保護の指針整備を進めるなか、国内外の投資家から批判が高まっているテーマともいえます。今回の株主総会での議決結果は、他の上場子会社や親子上場企業にとっても無関係ではなく、日産グループがどのようなガバナンスの姿を示すのか、市場の関心が一段と高まりそうです。










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