
スマートフォン決済大手のPayPayは5月7日、2026年3月期の連結決算(国際会計基準)を発表しました。本業の採算を示す営業利益は前期の約2.3倍となる800億円に達し、収益力の大幅な改善が鮮明になっています。
売上高にあたる営業収益は3806億円と前期比約27%増を記録。スマホ決済の取扱高拡大に加え、クレジットカードや証券などの金融関連サービスが大きく伸びたことも寄与しました。最終利益(純利益)は1178億円と前期比で約3倍。利用者数・決済回数の増加による手数料収入の拡大に加え、税負担の一時的軽減効果も重なった格好です。
2026年3月末時点の登録ユーザー数は約7340万人に達し、1年間で約7%増加しました。店舗やECサイトでの利用シーンが広がり、決済取扱高は前期比23%増の19.4兆円に拡大しました。決済データを起点に、銀行・証券・クレジットカードを束ねる金融サービス全体の拡大が、収益の新たな柱になりつつあります。
2027年3月期の業績見通しとして、同社は営業収益を4540億〜4620億円と予想。決済データを活用した金融事業のさらなる拡大戦略が注目されています。国内のキャッシュレス決済市場でコード決済の7割超を単独で占めるなか、同社の業績動向は金融とITを融合したフィンテックビジネスの成長性を占う指標ともいえます。
ナスダック上場後初の決算、上場企業としての説明責任も
今回の決算発表は、PayPayが3月12日に米ナスダック市場へ株式を上場して以降、初めての通期決算として広く注目を集めました。上場時の時価総額は約1.9兆円と、日本企業の米国上場としては過去最大級の新規株式公開となりました。
海外機関投資家はじめ幅広い投資家層を新たに抱え、成長性だけでなく、持続的な収益力やガバナンスへの視線も一段と厳しさを増している状況です。
足元では、PayPay証券がIPOに伴い個人向けに米国預託株式(ADS)を販売したことで証券口座数が前四半期比12%増となったほか、PayPay銀行でも口座開設が急増するなど、グループ内の相乗効果が現れ始めています。
一体型カード投入など成長投資を継続するなか、今後の課題は利益成長と顧客獲得の両立です。個人情報保護や金融規制への対応も、ナスダック上場企業として一層重要になりました。決済データを活用し、新たな金融サービスをどのように展開していくか、次期決算に向けた戦略が注目されます。












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