
米中央軍は5月8日、米軍による港湾封鎖を突破してイランの港に入ろうとしたイラン船籍の石油タンカー2隻を同日に攻撃し、航行不能にしたと発表しました。ホルムズ海峡付近では7日から散発的な衝突が続いていましたが、8日夜には小康状態になった模様です。
米中央軍は、攻撃を受けた石油タンカーから激しく煙が上がる様子を撮影した動画をX(旧ツイッター)に投稿し、継続する海上封鎖措置の一環であることを強調しています。攻撃を受けた2隻は、当時石油を積んでいない空荷の状態であったとされています。一方でイラン国営テレビなどによると、イラン外務省のエスマイル・バガイ報道官は、タンカーに対する米軍の攻撃は国際法違反であると強く非難し、反発を強めています。
さらに、イラン革命防衛隊に近いとされるタスニム通信は8日、軍事筋の話として、ペルシャ湾における武力衝突は沈静化したと報じました。しかし同時に、米国が再び湾内に艦艇を進入させたり、イラン船舶の航行を妨害したりするようなことがあれば、「再び断固とした対応を取る」と警告しており、事態が再び緊迫化する火種は依然として残されている状況です。
現在、両国間では戦闘終結に向けて米国が提案した基本合意案の覚書を巡り、水面下での駆け引きが続いています。バガイ報道官はこの合意案について「検討を進めている」と述べるにとどめ、米国側が求める期限にはとらわれない姿勢を示し、外交的な牽制を続けています。米軍は7日にも、イランによる攻撃に対する報復措置として軍事施設などを攻撃しており、8日の発表でも引き続き封鎖措置を徹底する方針を明言しています。オマーン湾からホルムズ海峡にかけての海域は、世界の原油輸送における最重要の要衝の一つであり、この海域における軍事的な緊張状態が長期化すれば、国際的なエネルギー供給網に深刻な影響を及ぼすことは避けられません。
米国の強硬姿勢と同盟国への対応要求
こうしたなか、ルビオ米国務長官は訪問先のイタリア・ローマで8日、基本合意案の覚書に関するイランからの回答が同日中にあるはずだと指摘し、事態の早期決着を迫る姿勢を示しました。ルビオ米国務長官は、イランがホルムズ海峡の支配権を主張している現状について強く非難し、「世界はこれにどう対処するつもりなのか」と問いかけました。
さらに米国は、単独での軍事・外交的圧力にとどまらず、欧州をはじめとする同盟国に対しても積極的な関与を求めています。ルビオ米国務長官は、海峡の安全確保に向けて各国が具体的な行動を起こすよう呼びかけるとともに、北大西洋条約機構(NATO)などの枠組みを通じた後方支援能力の確保の重要性も強調しました。米国とイランによる水面下の交渉は継続されているものの、回答期限を巡る認識のズレや軍事的な牽制が交錯しており、今後の協議の行方や海域の安定化の見通しは依然として不透明なままとなっています。
ホルムズ海峡でのアメリカとイランの動きについては下記もお読みください。
https://tokyonewsmedia.com/archives/tag/strait-of-hormuz




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