
米グーグルの親会社アルファベットの株価上昇が続き、時価総額で半導体大手エヌビディアに迫る水準となってきました。AI需要を取り込んだクラウド事業や自社開発半導体「TPU(テンソル・プロセッシング・ユニット)」への期待が高まり、かつて「AI競争で後れた」とみられた状況から大きく巻き返しています。
一部報道によると、5月8日時点のアルファベットの時価総額は約4兆8000億ドルで、首位エヌビディア(約5兆2000億ドル)との差は約4000億ドルまで縮小。昨年10月以降の株価上昇率はアルファベットが43%に対し、エヌビディアは6.3%にとどまっており、両社の勢いは対照的です。
エヌビディアはAI向けGPUで世界首位を維持する一方、株価はすでに大幅に上昇しており、追加の上値余地に慎重な見方も出始めています。
アルファベットは、検索や動画配信「YouTube」、クラウドに加え、AIモデル「Gemini」を軸とした生成AIサービスなど多様な事業ポートフォリオを持つ点が強みです。さらに2026年4月、米Anthropicに対してまず100億ドルを出資し、業績目標の達成次第でさらに300億ドルを追加投資する計画(合計最大400億ドル)が明らかになっています。対話型AI「Claude」シリーズとの連携強化を打ち出しました。
市場では、AI向け支出が景気動向の影響を受けやすいGPU専業のエヌビディアに比べ、広告やクラウドなど複数の収益源を持つアルファベットのほうが景気変動への耐性が高いとの評価も強まっています。こうした期待を背景に、アルファベット株はAI関連銘柄の中で出遅れ感を挽回する形で上昇しており、「世界最大の企業」に躍り出る可能性を指摘する声も出てきました。
TPUとGeminiがけん引役 成長期待とバリュエーションの綱引き
成長期待を支える柱の一つが自社設計のAI半導体TPUです。2025年12月のリポートでモルガン・スタンレーは、2027年のTPU生産見通しを従来の約300万個から500万個に上方修正しました。50万個の外部販売ごとに2027年の収益を約130億ドル押し上げるとの試算を示しており、「新たな収益エンジン」としての期待が高まっています。
ソフト面では「Gemini」がコード生成や画像処理など幅広い用途に対応し、Anthropicとの連携によりクラウド顧客に複数の高性能AIモデルを提供できる体制も整ってきました。
もっとも、アナリストの予想PERは過去10年平均を上回る水準にあり、成長期待が相応に織り込まれているとの指摘もあります。AIモデルの競争は激しく、技術優位を維持できるかどうかは不透明です。
それでも、「検索・広告」「クラウド」「AI半導体」「生成AIモデル」という複数のフランチャイズを持つアルファベットが、AI時代のプラットフォーム企業として持続的な成長を遂げるとの期待は根強い状況です。












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