トランプ米大統領が訪中、マスク氏やクック氏ら企業首脳が同行し経済関係強化へ

トランプ米大統領が5月13日から15日にかけて中国を訪問します。この訪中は第1次政権の2017年11月以来、約8年半ぶりとなります。今回の訪問には、米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)や米アップルのティム・クックCEOなど、米国を代表する大手企業の首脳17人が同行することが明らかになりました。13日夜に北京に到着した後、14日には習近平(シー・ジンピン)国家主席の案内で天壇公園を訪問し、晩餐会が開かれます。さらに15日には両首脳による会談が行われる予定です。
首脳会談では、経済や台湾情勢、さらにはイラン情勢が主な議題となる見通しです。特に貿易に関しては、米国産の農産物や米ボーイング機の購入拡大について協議され、数百億ドル(数兆円)規模の合意が想定されています。同行する企業にとって中国は極めて重要な市場です。テスラは電気自動車販売において米中が2大市場であり、2026年1〜3月期には売上高全体の2割弱を同国で稼ぎ出しています。アップルにとっても、スマートフォン「iPhone」の販売や生産拠点の確保など、切り離せない関係にあります。クック氏は3月にも中国を訪問したと報じられています。
また、航空機業界からは米ボーイングのケリー・オルトバーグCEOが同行します。同社にとって世界の民間機の2割を占める市場ですが、2025年には米国の関税措置に対する報復として機体の納入が停止される局面もありました。今回の訪問で政治的逆風を払拭したい狙いがあります。半導体業界からは、中国への最先端チップ輸出が禁じられている米エヌビディアのジェンスン・ファンCEOは参加しませんが、米マイクロン・テクノロジーや米クアルコムのトップは同行する見通しです。これらにより、ビジネスの拡大やサプライチェーンの安定化が模索されます。
規制当局との関係改善を目指す企業と大統領の政治的思惑
一方で、中国政府との関係修復を強く求める企業も存在します。米メタは、中国発の人工知能(AI)企業であるManus(マナス)を約20億ドル(約3200億円)で買収しようと試みました。しかし、4月に中国国家発展改革委員会が安全保障上の観点からこの買収計画を認めないと決定しました。こうした状況を打破するため、同社はトランプ政権の元幹部で社長兼副会長を務めるディナ・パウエル・マコーミック氏を訪中団に送り込み、政府関係の改善を図ります。
トランプ氏にとっては、11月に控える米中間選挙に向けて、約14億人の市場から具体的な経済的成果を引き出せるかが焦点です。両国はAIなどの分野で競争する超大国でありながらも、経済面では依然として深い依存関係にあることが示されています。












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