米トランプ大統領、ベネズエラの「51番目の州」化を示唆 ホワイトハウス公式も画像転載し波紋

ベネズエラの黒板アート

アメリカのトランプ米大統領は5月12日、自身の交流サイト(SNS)において、南米のベネズエラの領有を示唆する極めて衝撃的な画像を投稿しました。この画像の中では、ベネズエラの国土全体が米国旗の星とストライプの模様で完全に塗りつぶされており、はっきりと「51番目の州」という言葉が記されています。さらに事態の深刻さを示しているのは、この個人的な投稿がホワイトハウスの公式X(旧ツイッター)アカウントによっても即座に転載された点です。これにより、単なる個人の発言を超え、政権全体としての公式な意図であることを強く印象付ける結果となりました。

アメリカメディアの報道によれば、トランプ氏は11日の時点で、電話取材などに対してベネズエラの領有について「真剣に検討している」と述べていたと伝えられています。第2次トランプ政権は2026年1月に大規模な軍事作戦を展開し、反米左派のマドゥロ大統領を拘束して強硬に政権を転覆させたばかりです。その後もトランプ氏は「ベネズエラを当面のあいだ運営する」と公言し、同国が有する約40兆ドル(約6300兆円)相当とされる莫大な石油利権の獲得に強い意欲を見せてきました。

今回のように、他国の主権を完全に奪い去り、アメリカの「51番目の州」にするという踏み込んだ主張は、現代の国際秩序を根底から覆す異例中の異例の事態だと言えます。これまでは親米的な暫定政権を通じた間接的な影響力の行使に留まると多くの専門家に見られていましたが、直接的な「領有」へと舵を切ったことで、アメリカの覇権主義的な方針がより鮮明になりました。

ネット上では、「他国を自国の州にするなど国際法違反も甚だしい」「石油利権が目的だとしても、あからさますぎて言葉を失う」「マドゥロ政権の圧政から解放されたとはいえ、アメリカの属国化は全く別の問題だ」など、強い懸念や非難の声が多く寄せられています。一方で「混乱が続くよりは、アメリカの直接的な管理下に入った方が経済的には安定するのではないか」といった一部の意見も見られ、世界的な議論が白熱しています。

国際社会からの反発と今後の懸念

トランプ大統領による「51番目の州」化という露骨な宣言は、国際社会に極めて深刻な波紋を広げています。すでにヨーロッパ連合(EU)などがベネズエラ国民の意思尊重を強く求める声明を出しており、主権を無視した今回のアメリカの動きに対しては、敵対国だけでなく同盟国からも厳しい懸念の声が強まることは避けられません。

国際法の専門家は、「国連憲章が定める主権平等と領土保全の原則に明白に反しており、国際社会で認められる余地は全くない」と厳しく指摘しています。また、米国内の野党・民主党からも「民主主義の根幹を汚す歴史的な暴挙だ」との批判が噴出しており、連邦議会が新たな州としての昇格を承認する可能性は極めて低いと見られています。

トランプ氏がこの強硬姿勢をどこまで実際の国家政策として推進するつもりなのか、あるいは国内の支持層に向けた過激なパフォーマンスの一環なのかは依然として不透明です。しかし、ホワイトハウスの公式アカウントがこれに追随したという事実は非常に重く、今後の中南米地域の安定と世界の秩序の行方に、各国が強い危機感を募らせて注視しています。

ベネズエラについて知りたい方は下記もお読みください。
https://tokyonewsmedia.com/archives/tag/venezuela

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. マレーシアの国旗
    日本の高市早苗首相と来日中のマレーシアのアンワル首相は6月10日午前11時半から約30分間にわたる首…
  2. 元WBC世界ライト級王者のガッツ石松さん死去 76歳、肺炎で
    元プロボクサーでタレントとしても活躍したガッツ石松さん(本名・鈴木有二)さんが、6月2日に肺炎のため…
  3. 出生数67万人で過去最少 少子化に歯止めかからず
    厚生労働省が6月3日に公表した2025年の人口動態統計(概数)によると、日本国内で生まれた日本人の子…

おすすめ記事

  1. 大館(Tai Kwun)の「Visitor Centre」

    2025-12-30

    写真で見るビジターセンター Visitor Centre「大館(Tai Kwun)」

    「大館(Tai Kwun)」にある、来訪者向けの案内・サービス拠点「Visitor Centre」。…
  2. 網走刑務所で刑務作業を行う受刑者

    2025-7-21

    網走刑務所とはどんな場所?現役職員に聞いた歴史と受刑者の今

    強固な警備体制や凶悪事件の受刑者が収容されるイメージもある網走刑務所。映画やドラマなどの影響で、怖い…
  3. 刑務所内

    2026-1-25

    刑務所の高齢化に民間の知恵を。拘禁刑を背景に導入された新プログラムとは

    2025年6月、懲役と禁錮を一本化した「拘禁刑」が導入されました。受刑者の高齢化が進むなか、個々の特…

2025年度矯正展まとめ

2024年に開催された全国矯正展の様子

【結果】コンテスト

【結果発表】ライティングコンテスト企画2025年9-10月(大阪・関西万博 第4回)

アーカイブ

ページ上部へ戻る