
片山さつき財務相とベッセント米財務長官は12日午前、財務省で会談し、足元の急速な円安を含む為替市場の動向を巡って「緊密かつ強固な連携」を続ける方針を改めて確認しました。 会談は約30分間行われ、昨年9月の日米財務相共同声明を踏まえ、為替市場で望ましくない過度の変動に対して両国が緊密に意思疎通していくとの認識を共有したとされています。 片山氏は会談後の記者会見で、「日米間で非常によく連携できていることを確認した」と述べ、引き続き共同声明に沿って対応していく考えを示しました。
ベッセント長官も、会談後に発表したコメントで、日米の経済パートナーシップが「非常に強固」であると強調し、為替市場における過度な変動は好ましくないとの認識を示しました。 円安が進む中で、日本の経済・金融のファンダメンタルズは堅固だと評価したうえで、日本の財務省と「これまで通り緊密に連携していく」と述べています。
為替市場では、4月末からの大型連休を挟む形で政府・日本銀行による大規模な円買い・ドル売り介入があったと見られており、民間推計では4月30日以降の介入規模が8兆6500億円から10兆800億円程度に達したとの試算も報じられています。 こうした動きにもかかわらず円安基調は続いており、当局による追加対応の可能性や、米国が協調介入に踏み切るかどうかが市場の関心事となっています。
片山氏は会見で、日本銀行の金融政策に関する詳細な議論の有無については明言を避けましたが、金融政策の具体的な手法は日銀の専管事項だとの立場を示しました。 また、財政政策については今回の会談で議論しなかったと説明しており、焦点が為替と金融市場の安定に絞られた形となりました。
協調介入観測と今後の為替相場の行方
今回の会談を受けても円安の流れは止まらず、12日午後の東京外国為替市場でドル円相場は1ドル=157円台後半までドル高・円安が進みました。 市場では、ベッセント長官から協調介入を示唆するような発言がなかったことを受け、当面はドルがじりじりと上値を試す展開が続くとの見方も出ています。
一方で、米側が「過度な為替変動は望ましくない」と繰り返し表明していることから、円安がさらに加速した場合には、日米当局が何らかの形で連携した対応に踏み切る余地も意識されています。 今年1月には、ニューヨーク連銀が主要銀行に対してレートチェックを実施し、ドル高・円安の進行に一定のけん制をかけたと伝えられており、米側も円安を巡る状況を注視してきた経緯があります。
日米財務相は今後も、今月下旬にパリで開かれる主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議など、国際会議の場で再び顔を合わせる見通しです。 ベッセント長官は日本滞在中に高市早苗首相とも会談しており、為替だけでなく重要鉱物のサプライチェーン強化や対内投資ルールなど、幅広い経済安全保障分野で協力を進める方向性も確認したとされています。 円安と物価高が家計や企業活動に与える影響が続くなか、日米両政府がどこまで市場との対話と連携を深められるかが、今後の為替相場と経済運営の重要な焦点となります。












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