
モーター大手のニデック(旧日本電産)は2026年5月13日、家電向けモーターや車載部品などを中心に、品質に関する不適切行為の疑いが1000件超に達すると正式発表しました。今年1月から実施した品質総点検の過程で明らかになったもので、取引先の事前承認を得ずに部材や製造工程、設計を変更したケースが大半を占めるとしています。
一部では試験・検査データの改ざんが疑われる案件も含まれ、ニデック本体の家電関連事業にとどまらず、グループ会社の生産拠点など複数の事業領域にまたがるとされます。
製品の機能や安全性に直ちに影響する事例は確認されておらず、品質問題を原因とする事故や重大トラブルの報告もありません。取引先に対して順次説明と謝罪を行うとともに、外部の専門家で構成する調査委員会を同日付で設置し、8月末を目途に全容解明を目指すとしています。
東京都内での記者会見に臨んだ岸田光哉社長は「品質は製造業の根幹。極めて重く受け止めている」と謝罪。今回の品質不正は、2025年9月に発覚した会計不正の社内調査過程で判明したものです。
第三者委員会が2026年4月にまとめた最終報告書では、純利益へのマイナス影響額が累計1607億円に上ることが確認されており、不正の背景として創業者・永守重信氏による過度な業績プレッシャーが指摘されています。同社株は報道を受けて売りが膨らみ、一時ストップ安水準となる前日比500円安(約18%安)まで急落しました。
会計不正から続く統治改革 新経営陣の姿勢が問われる局面に
会計不正を受けて東京証券取引所は2025年10月に同社株を特別注意銘柄に指定。日本取引所グループは2026年4月、プライム市場の最高額となる9120万円の上場契約違約金の徴求を決定しています。永守氏は2025年12月に取締役を辞任し、その後名誉会長の職も退きました。
会計不正の検証と並行して今年1月に始めた品質総点検で、通報窓口を通じて品質面での不適切行為が新たに浮上する形となりました。6月18日に予定される定時株主総会に向け、新たな取締役候補の公表や内部管理体制の強化策の提示が急務です。
特別注意銘柄の指定解除には2026年10月までに改善結果を示すことが条件となります。会計に続く品質不正の疑いをどう検証し、再発防止策を実行できるかは、新経営陣のガバナンス改革の真価が問われる正念場といえるでしょう。












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