
円相場が再び急速な下落に転じています。5月15日のニューヨーク外国為替市場から16日にかけて、円は対ドルで下落し、一時1ドル=158.74円付近とドル高・円安が進む展開となりました。政府・日銀は4月末からの大型連休期間中、急速な円安を抑えるため断続的に数兆円規模とみられる為替介入(覆面介入)に踏み切ったと観測されています。しかし、連休中の介入による一時的な円高・ドル安の下げ分は完全に解消され、わずか2週間程度で介入前の水準を取り戻す形となりました。
相場反転の兆しが見えない背景には、強靭な米国経済とインフレの高止まりがあります。14日朝方に発表された米国の小売売上高といった経済指標が米景気の底堅さを示したほか、今週発表された米国の消費者物価指数(CPI)および生産者物価指数(PPI)も予想を上回る強い内容となりました。これによりFRB(米連邦準備制度理事会)による早期利下げ観測は完全に後退し、短期金融市場では2026年末までにFRBが利上げする確率を65%まで織り込むなど、劇的な見通しの変化が生じています。
さらに、米国債利回りが欧州や日本とともに約1年ぶりの高水準まで上昇しており、指標となる米10年債利回りは節目の4.50%を上回り、4.60%付近まで急騰しました。日米の圧倒的な金利差を意識した円売り・ドル買いが優勢となっていることに加え、イラン情勢の不透明感を受けた原油価格の高止まりも、安全資産としてのドル買いを強力に後押ししています。事前の「予告」があった今回の介入効果に対して、市場からは持続性を疑問視する声が強まっています。
介入警戒も方向感欠く展開、来週のG7財務相会議に市場の熱視線
現在の為替市場は全体的に不安定な値動きが広がっています。上値では日本の財務省による為替介入への警戒感が根強く残り、ドル円相場が160円に接近しないよう上値を抑える展開が続く一方で、下値は円安継続への期待や根強いドル高の流れにしっかりと支えられています。
こうした明確な方向感を欠く膠着状態の中、来週にはフランスで主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開催されます。片山さつき財務相は、この会議において世界的な国債利回りの急騰に関して議論が及ぶとしており、市場の関心は一段と高まっています。この国際会議の場を機に、日本の財務省が円相場で何らかの具体的なアクションを取ってくるかが最大の焦点となっており、投資家は当局の次なる一手を神経質に見守っています。












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