阪急阪神HD、過去最高の営業収益を記録し300億円を上限とする自社株買いを発表

梅田の阪神百貨店と阪急百貨店

阪急阪神ホールディングスは2026年5月15日、発行済み株式の3.14%に当たる750万株、総額300億円を上限とする自社株買いを決議したと発表しました。取得期間は5月18日から10月29日までとなっており、東京証券取引所における市場買付を通じて実施されます。

同時に発表された2026年3月期の連結決算では、営業収益が過去最高となる1兆2035億6000万円を記録しました。この大幅な増収増益の背景には、傘下である阪神タイガースの昨年のリーグ制覇に伴う「V特需」がグループ全体に大きく寄与したことが挙げられます。経常利益は前の期比12.0%増の1245億円、純利益は780億円の黒字見通しとなり、力強い成長を示しました。

一方で、2027年3月期の見通しについては、特需の反動減を考慮し、経常利益が前期比8.5%減の1140億円へと減少する保守的な予測が示されています。これに対し、同社は中長期的な企業価値向上のため、株主還元方針の抜本的な改定にも踏み切りました。2026年3月期より年間配当の下限を1株当たり100円に設定し、総還元性向の目安を従来の30%から50%へと引き上げています。さらに、自己株式の保有上限を発行済株式数の5%とし、これを超える分は原則として消却する方針を明らかにしました。

しかしながら、5月15日の株式市場においては、地政学的な波乱や米国のハイテク株安を引き金に日経平均株価が一時1244円安と大幅に下落する悪地合いとなりました。グローリーなど他社からも大規模な還元策の発表が相次いだこともあり、阪急阪神ホールディングスの株価は自社株買いの発表を受けて一時的に買われたものの、最終的には上げ幅を縮小して取引を終える結果となっています。

国際輸送事業のV字回復と持続的成長への基盤構築

国内での特需による恩恵の一方で、2026年3月期決算におけるもう一つの注目点は、グローバル展開を進める国際輸送事業の業績回復です。同事業の売上高は前期比1.7%増の1064億7200万円に達し、営業利益は20億4900万円の黒字となりました。前期に計上した12億8400万円の営業損失から一転して大幅な増益となり、収益体質の改善が鮮明になっています。

このV字回復は、日本、中国、ASEAN地域での航空輸送の需要回復に加え、戦略的な事業拡大が奏功した結果です。同社は豪州で強みを持つ現地企業を子会社化したほか、バングラデシュに法人を設立するなどネットワークを広げました。さらに、南アフリカやメキシコでの物流倉庫拡張を進め、サプライチェーンの再編に伴う新たなロジスティクス需要を取り込む体制を整えています。

市場関係者や投資家の間では、エンターテインメント領域での一過性の利益にとどまらず、海外での物流事業拡充や資本効率の改善を目指す同社の多角的なアプローチに対して、「特需後も持続可能な成長基盤が作られている」「配当のフロア設定と自社株の消却ルールは長期投資にとって安心材料になる」といった前向きな意見が寄せられています。今後もグローバル市場における競争力の強化と、安定した株主還元策の実行が注目されます。

阪急阪神ホールディングスの動きについて知りたい方は下記もお読みください。
https://tokyonewsmedia.com/archives/tag/hankyu-hanshin-holdings

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