三井住友トラストG、資産運用ビジネスが牽引 今期純利益3800億円の見通し

三井住友トラストG、資産運用ビジネスが牽引 今期純利益3800億円の見通し

三井住友トラストグループ(以下、三井住友トラストG)は5月14日、2027年3月期の連結純利益見通しを3800億円と発表しました。前期比約20%増となるこの水準は市場予想の3302億円を上回るもので、達成されれば3期連続での過去最高益更新となります。資産運用など投資家向け事業の拡大が収益を押し上げる見込みで、国内金融グループの中でも際立った収益成長を示しています。

同社が14日に発表した2026年3月期の純利益は3175億円で、前期比23%増の過去最高益となりました。今期(2027年3月期)はさらなる増益を見込み、本業の稼ぐ力を示す実質業務純益は前期比725億円増の4200億円、純利益は3800億円を予想しています。

あわせて公表した2029年3月期までの3カ年の中期経営計画では、最終年度の連結純利益目標を4100億円と設定しました。日銀の政策金利が1.25%に達することを前提に、資産運用ビジネスを中核に、インフラ・再生可能エネルギーなどのリアルアセット分野や個人向けビジネスの拡大を図る方針です。

中東情勢の不安定化にともない特例引当金として80億円を積んだことも明らかにしました。現時点で信用コストへの波及は限定的としています。 

株主還元を強化 自社株買い500億円と株式分割も

三井住友トラストGは、収益拡大にあわせて株主還元策も積極化しています。今回の発表では500億円を上限とする自己株式取得(自社株買い)を決議し、取得期間を2026年5月15日から同年9月末までとしました。取得した自己株式はすべて消却する予定で、1株あたり価値の向上と資本効率改善を同時に図る狙いです。

また、1株を4株に分割することも明らかにし、8月3日を実質効力発生日としています。売買単位を引き下げることで個人投資家にとって投資しやすい水準とし、流動性向上にもつなげたい考えです。株式分割前ベースの年間配当予想は190円と、前期に比べて実質5円の増配となります。安定した利益成長の見通しを背景に、株主との利益共有を強める姿勢がより鮮明になっています。

一方、世界経済の減速懸念や地政学リスクの高まりなど、不確実性は依然として残っている状況です。金利環境の変化に伴う評価損益や市場変動リスクをどう吸収しつつ、中期的な利益目標と株主還元を両立させられるか、今後の動向が注目されます。

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