東芝、2026年3月期決算で純利益が過去最高の1.9兆円に AI需要とキオクシア株高騰が牽引

東芝が5月15日に発表した2026年3月期の連結決算(米国会計基準)によると、純利益は前の期比約7倍となる1兆9673億円となり、過去最高を大幅に更新しました。これまでの最高額であった2019年3月期の1兆133億円を大きく上回る歴史的な水準です。
この記録的な増益の背景には、人工知能(AI)需要の急速な拡大に伴い株価が急騰した、半導体メモリー大手キオクシアホールディングス株の存在があります。同社株の売却益および再評価益として、計2兆2770億円を計上したことが純利益を劇的に押し上げる要因となりました。
本業のもうけを示す営業利益ベースでも、力強い成長が確認されています。売上高は前の期比6%増の3兆7091億円、営業利益は52%増の3008億円へと大幅な増益を達成しました。特にデータセンターでのAI活用が本格化したことで、膨大な電力を支える送配電設備や、データの保存に不可欠な大容量のハードディスクドライブ事業の販売が非常に好調に推移しています。また、半導体製造装置やエレベーター、デジタルソリューションなどのインフラ関連事業も堅調で、全体の増益を牽引しました。
さらに、収益力の改善に大きく寄与したのが、日本産業パートナーズ(JIP)傘下で過去2年間にわたって進めてきた徹底した構造改革です。拠点の集約などを通じて固定費を1000億円圧縮した結果、売上高に対する固定費の比率は2024年3月期から5ポイント低下しました。これにより、売上高営業利益率は同社として過去最高となる8%を記録し、利益を生み出しやすい筋肉質な企業体質へと変貌を遂げていることが示されました。東芝は2027年3月期を最終とする中期経営計画「東芝再興計画」を推進中であり、着実な歩みを進めています。
財務体質の改善と再上場への展望 池谷副社長「柔軟な経営判断が可能に」
東芝は中期経営計画の最終年度となる2027年3月期に、営業利益率10%の達成を目標として掲げています。今期も送配電設備やハードディスクドライブの好調継続が見込まれ、副社長執行役員の池谷光司氏は「中東情勢や為替の影響もあるが、達成したい」と強い意欲を示しました。
また、今回の好業績とキオクシア株の売却によるキャッシュフロー改善を背景に、2023年の非公開化時に借り入れた信用力の低い融資「レバレッジドローン」の全額返済を完了させました。低金利の銀行ローンへ借り換え、借入額も半分ほどに圧縮し、財務体質を大幅に改善しました。池谷副社長は「将来の投資や経営判断をより柔軟に行える環境が整った」と説明し、今後の成長に向けメリハリのある投資計画を実行する方針です。非上場の東芝は部門別業績や来期の見通しを開示していませんが、この業績を踏まえ、再上場を目指す方針を示しています。
東芝が上場廃止した経緯については、2023年8月の下記記事もお読みください。
https://tokyonewsmedia.com/archives/1655












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