リクルート最高益、AIを駆使した求人プラットフォームが労働市場の逆風を突破

世界とグラフ

リクルートホールディングスは、2027年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比25.4%増の6230億円になる見通しだと発表しました。主力の米求人検索サイト「インディード」が好調を維持しており、4期連続で過去最高益を更新する見込みです。売上収益は9.0%増の4兆300億円、実質的な利益指標である「EBITDA+S」は19%増の9490億円を見込んでいます。日本を含む世界60カ国以上で展開するHRテクノロジー事業は、同社の利益の7割を稼ぎ出す柱となっています。

米国の採用市場は現在、逆風下にあります。企業が厳選採用の傾向を強めていることから、2026年3月期の求人掲載数は前の期比で7%減少し、2027年3月期も4%減となる見通しです。しかし、2025年9月に導入された「プレミアム版の有料求人広告プラン」がこの状況を大きく変えました。AIを活用して採用条件に合致する求職者とのマッチング精度を飛躍的に高めたことで、米国での1求人当たりの広告単価が前年比18%上昇する見込みとなっており、求人数の減少を単価の向上でカバーする強固な収益構造を確立しています。

この進化を牽引しているのが、インディードの最高経営責任者(CEO)に復帰した出木場久征社長です。AIのアルゴリズム解析により、世界平均で40日かかっていた採用期間を、米国では半分の約20日にまで短縮することに成功しました。さらに2026年2月からは、企業向けにAIスカウト機能を実装したほか、求職者向けにはキャリア目標に合った仕事探しを支援する「AIキャリアコーチ」機能も追加し、単なる広告枠の提供から、AIが企業と求職者の双方に伴走するサービスへと変貌を遂げています。

AIリストラとブルーカラーの台頭がもたらす労働市場の地殻変動

一方、米国の労働市場全体を見渡すと、テクノロジー企業を中心に「AIリストラ」の嵐が吹き荒れています。米調査会社の報告によると、4月単月だけでAIによる業務代替を理由とした約2万1000人の削減計画が発表されました。マイクロソフトやメタといった大手も設備投資を優先し、合計1.6万人規模の人員削減を進めるなど、労働力がAIに置き換わる動きが加速しています。

しかし、こうしたホワイトカラーの危機とは対照的に、現場労働者が高収入を得る「ブルーカラービリオネア」現象が起きています。飲食や運輸といった対面業務はAIでの代替が極めて困難であり、引き合いが強まっています。

2025年4〜12月期のインディード米国内売上の3分の2を、これら代替困難な職種が占める半面、AIの影響を受けやすい事務やマーケティングの求人は15%程度にとどまりました。業務代替の影響が少ない業種の有料求人主をいかに取り込むかが今後のカギになります。市場関係者の間でも、AIの力を借り、市況に左右されない収益基盤の確立を目指す同社の戦略に注目が集まっています。

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