
米証券取引委員会(SEC)に提出された「フォーム13F」によると、バークシャーは2026年1〜3月期に、これまで保有していたアマゾン株を全て手放したことが判明しました。 2025年10〜12月期の時点でアマゾン株保有を8割減らしていたとされており、今回の四半期で完全に撤退した形です。 一方で、アルファベットの議決権付きA種株の保有株数は2025年末の3倍超に増加し、議決権のないC種株も新規取得するなど、同社への投資スタンスを強めています。
同じ報告書では、ビザやマスターカードなどのカード大手株、さらには宅配ピザチェーン大手ドミノ・ピザの株式も、2026年1〜3月期に全て売却されたことが示されています。 エネルギー大手シェブロンや酒類販売大手コンステレーション・ブランズについても保有株数を大きく削減しており、バークシャーが保有する開示対象銘柄数は、2025年12月末の39銘柄から2026年3月末には26銘柄へと減少しました。
一方で、投資先の入れ替えも活発でした。バークシャーは航空大手デルタ航空や百貨店大手メーシーズの株式を新規取得しており、新たな収益源として期待しているとみられます。 バークシャーは新型コロナ禍を機に航空会社株を一度手放していましたが、デルタ航空株を約26億5000万ドル分購入したとの話もあり、再び航空業界にコミットし始めた形です。
市場では、2025年12月に退社した元運用担当者トッド・コームズ氏が運用していた銘柄を整理したとの見方が出ています。 2026年1〜3月期には株式全体で約81億4900万ドル売り越したとされ、バークシャーの手元資金は過去最高水準に達したとされています。 バフェット氏は2025年末に最高経営責任者(CEO)の座を退いたものの、2026年3月時点のインタビューで「依然として投資判断に深く関与している」と語っており、「事業モデルが分かりやすい企業」に投資するという従来方針に沿った銘柄入れ替えである可能性があります。
フォーム13Fが映す投資戦略の転換点
今回の開示は、米国の大手機関投資家が四半期ごとにSECへ提出する「フォーム13F」を通じて判明したもので、バークシャーが保有する米国上場株の一部を示しています。 日本の5大商社株や東京海上ホールディングス株など、米国市場以外に上場する銘柄は報告対象外であり、バークシャーの全体ポートフォリオを完全に表すものではありません。
それでも、アマゾンやビザ、マスターカードといった大型銘柄からの撤退と、アルファベット、デルタ航空、メーシーズなどへの集中投資は、同社のリスク管理と成長期待のバランスに変化が生じていることを示唆します。 バフェット氏は過去に「理解できないビジネスモデルには投資しない」と繰り返し述べてきましたが、近年はアルファベットなど一部のハイテク企業への投資も拡大させており、慎重さを保ちつつもデジタル経済の成長を取り込む姿勢がうかがえます。
投資家にとっては、バークシャーの四半期ごとの銘柄開示は、長期投資の視点から市場をどう見ているかを知る重要な手掛かりです。 今回のように銘柄数を絞り込み、少数銘柄への集中度を高める動きは、同社が今後の景気や金利動向、そしてテクノロジー企業の収益構造をどう評価しているのかを読み解く材料として、世界の市場参加者から注目されています。






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