
5月18日の日本市場は、世界的な債券安の流れが波及し、円や株式も売られる「トリプル安」の様相を呈しました。新発30年国債や40年債の超長期金利が過去最高を更新し、10年債利回りも一時30年ぶりの高水準を付けています。この背景には、中東での戦争収束が見えず、インフレの持続により各国の中央銀行が利上げを余儀なくされるとの強い警戒感があります。
さらに国内要因として、高市早苗首相が電気・ガスなどの家計負担軽減策として補正予算の編成を含めて検討するよう片山さつき財務相に指示したことで、国債の増発に伴う財政悪化への懸念が債券の売り材料となりました。明治安田アセットマネジメントの大﨑秀一シニア・ポートフォリオ・マネジャーは、政府が補正予算を編成することへの警戒感に加え、日本銀行の利上げに否定的な印象が強く、インフレに対して後手に回るビハインド・ザ・カーブ懸念が強まっていると指摘しています。同氏は、長期金利の上昇が「3%という節目の水準に到達しても止まらないかもしれない」との厳しい見方を示しました。この日行われた5年利付国債の入札は無難に消化されたものの、相場を一変させるには至っていません。
外国為替市場では、こうした日米の金利差拡大や日本の財政不安を背景に有事のドル買いと円売りが加速し、対ドルで一時159円台前半まで急落しました。これは、日本の通貨当局が為替介入を実施したとされる4月30日以来となる安値水準です。金利高への警戒感から株式市場も大きな打撃を受け、日経平均株価は前週末比593.34円安の6万815.95円で取引を終えました。さらに、東証株価指数(TOPIX)も37.46ポイント下落し、東証プライム銘柄の約7割が値下がりする全面安の展開となるなど、投資家のリスク回避姿勢が鮮明になっています。
トランプ氏「時間切れ近い」とイランに警告、原油急騰がインフレ懸念に拍車
市場のインフレ懸念を増幅させている最大の要因は、緊迫化する中東情勢です。数週間に及ぶ戦争の終結と、世界のエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の通航再開に向けた合意を巡り、米国とイランの隔たりは依然として大きい状況が続いています。こうした中、トランプ米大統領は17日、自身のSNSへの投稿で「イランにとって時間切れが近づいている」と直接的な警告を発し、軍事的な緊張がさらに高まりました。
この事態を受けて、アジア時間18日序盤の取引でニューヨーク原油先物は一段と上昇し、北海ブレントは1バレル=110ドルを突破、米WTIも107ドルを上回りました。約8%急騰した前週末からの上昇トレンドが継続しており、ロシア産原油の販売を認める特例措置の失効も供給懸念に拍車をかけています。このような地政学的リスクの不透明感によるエネルギー価格の高騰が、世界的なインフレ警戒と金利上昇圧力に直結しています。


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