
オリックスは5月11日、2027年3月期の連結当期純利益(米国基準)が前期比18.5%増の5300億円になる見通しを発表しました。4年連続で過去最高益を更新する見込みです。市場予想であるアナリスト8人の予想平均値4509億円を大きく上回る強気な見通しとなりました。
今期の自己資本利益率(ROE)は11.7%を予想しています。部門別に見ると、金融部門と事業部門の成長を見込む一方で、投資部門は前期に計上したインドの再生可能エネルギー事業「Greenko」の売却益の反動により、減益を予想しています。また、今期中に予定されている傘下のオリックス銀行の売却益も、全体の利益を大きく押し上げる要因となります。この売却益の使途については、資本効率を高めるための成長投資や株主還元などを含めて多角的に検討していく方針です。
さらに、業績の上振れ要因として注目されているのが、オリックスが資金拠出している東芝を通じた、半導体大手キオクシア(旧東芝メモリ)株の動向です。東芝は現在、キオクシアを持分法で評価していますが、将来的に売却などによって有価証券投資として扱われるようになった場合、簿価から時価評価へと切り替わります。半導体市況の回復を背景に東芝に巨額の評価益が計上されれば、オリックスの業績にも利益の取り込みという形で直接波及するため、5300億円の予想をさらに大きく上回る可能性を秘めています。
同時に発表された2026年3月期の連結決算は、4473億円の純利益を計上し、ホテル・旅館や空港コンセッションといったインバウンド関連事業が好調に推移して業績を強力に牽引しました。会見で高橋英丈社長は、「新経営体制のもと着実に前進した一年だった」と手応えを語り、さらなる中長期的な成長への自信を深めています。
地政学リスクへの警戒と徹底したリスク管理体制
好調な業績見通しの一方で、経営陣は不確実な外部環境に対する警戒を怠っていません。中東情勢の影響について高橋英丈社長は、サウジアラビアなどのエクスポージャーが約150億円あるものの、直接的な影響は限定的だと説明しました。航空機関連事業も信用力の高い航空会社向け融資が中心のため、現時点で直ちに業績を揺るがすような大きな懸念はないとしています。
しかし、情勢の長期化がもたらす間接的な波及効果については決して楽観視していません。原油高によるジェット燃料不足を背景に、運航コストが急増して格安航空会社(LCC)の減便や航空会社全体の信用力低下が起こるリスクを強く指摘しました。特に東南アジアでは、エネルギー価格の上昇がインフレを引き起こし、マクロ経済全体を冷え込ませる恐れがあり、注視が必要です。また、日中関係の動向が事業に与える影響も引き続き警戒するなど、多角的な視点でリスク管理を徹底し、持続的な成長基盤を確保していく考えを強調しました。












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