
米宇宙開発企業スペースXが、いよいよ上場秒読みの段階に入りました。同社は4月1日にSECへ機密扱いでIPOを申請済みで、ティッカー「SPCX」でのナスダック上場を目指しています。報道によると、6月11日に公募価格を決定し、翌12日に取引を開始する方向で調整しているとのこと。実現すれば、2019年にサウジアラムコが記録した約256億ドルを大幅に上回り、史上最大のIPOとなります。
調達規模の目標は最大750億ドル(約12兆円)です。評価額は2兆ドルを超える水準との観測も出ており、同社の企業価値がいかに急拡大したかがうかがえます。
背景には、2026年2月に完了したAI企業xAIとの合併があります。この合併でスペースXの評価額は1兆ドル、xAIは2500億ドルとされ、合計1兆2500億ドルの複合企業が誕生。そこに衛星インターネット「スターリンク」の急成長が加わり、現在の巨大評価額につながっています。
個人投資家への間口の広さも、このIPOの大きな特徴です。CFOのブレット・ジョンセン氏は主幹事21行に対し、「個人投資家の参加が不可欠であり、過去最大の割合になる」と明言。公募株式の最大30%を個人投資家に割り当てる方針で、通常のIPOで標準的な5〜10%を大幅に上回ります。
6月11日に日本・韓国・英国など、各国の個人投資家約1500人を招くイベント開催の予定が報じられており、マスク氏がテスラで培った個人投資家との絆を、スペースXでも再現しようとする姿勢が鮮明です。
株式分割の実施も、個人投資家の参加を後押しします。主要株主が承認した5対1の分割により、1株あたりの公正価値は約526.59ドルから約105.32ドルへ引き下げられる見通しです。5月18日の週に処理が始まり、22日までに完了する予定。手の届きやすい株価水準が、さらなる裾野拡大につながるとみられます。
個人投資家の関心高まる中、日本からの参加機会にも注目
IPO株の販売活動は6月8日の週に始まる見込みと報じられており、日本の個人投資家も参加対象に含まれる予定です。主幹事側はすでに日本の証券会社への株式配分に向けた交渉を進めているとされ、具体的な購入方法や抽選配分については今後公表される見通しです。
一方、懸念材料もあります。xAIとの合併により、2025年の連結決算では約49億ドルの純損失が生じたことも明らかになっています。xAI単体で年間140億ドル超の現金を消費しており、スターリンク事業の収益でそれを支える構図です。
また、米公的年金システム上位4基金のうち3つが、マスク氏に過大な議決権を与える株式構造に対し、懸念を示しています。宇宙・AI事業の成長期待と財務リスク、そして価格水準のバランスを慎重に見極めることが、投資家には求められそうです。












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