
米国のトランプ大統領は5月18日、翌19日に予定していたイランへの軍事攻撃を見送ったと明らかにしました。ホワイトハウスでのイベントにおいて、トランプ氏は「攻撃はしばらく延期した。イランと非常に重要な協議を行っており、結果を見極めたい」と説明しています。
この攻撃延期は、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)などの中東諸国首脳から、2-3日の延期を求める強い要請があったためです。トランプ氏は、イランが核兵器を手にしない内容で合意できれば、米国も満足するとの見解を示し、受け入れ可能な合意に至らなければ再び攻撃に踏み切る用意があるとしています。
一方で、18日には米国とイランの双方が、新たな提案を不十分として退けたことも明らかになっています。イランが17日に仲介国を通じて示した提案について、米国は高濃縮ウラン備蓄の引き渡しや追加濃縮の停止に関する具体的な確約が盛り込まれておらず、有意な改善を欠いていると判断しました。これに対しイラン側も、米国の要求は依然受け入れられないとの認識を示しており、凍結資産の解除や戦争被害への補償支払いも求めているため、両国の主張は完全に平行線をたどっています。
戦争によりホルムズ海峡を通じた原油輸出が途絶えるリスクがある中、トランプ氏はイランに対して合意に応じるよう圧力を強めていますが、イラン側も報復を続ける構えを見せています。実際に18日には、UAEが主要な原子力発電所近くでドローン攻撃があったと発表しました。UAE国防省によれば、西側から発射された飛翔体のうち2機を迎撃したとしています。さらにサウジアラビアも17日、武装勢力が多数存在するイラクから領空へ侵入した3機のドローンを迎撃・破壊したと発表しており、中東地域における軍事的緊張と停戦の脆弱さが改めて浮き彫りとなっています。
原油高への懸念とロシア産原油の制裁緩和延長
こうした中東地域の緊張激化は、原油価格のさらなる上昇を招く恐れがあり、米国政権はこれまでそうした事態を避けようと苦心してきました。戦争終結に向けた合意への期待と、エネルギー輸送再開を巡る見通しについて強弱入り交じるシグナルが出る中、原油市場は荒い値動きとなっています。トランプ氏の攻撃延期発言を受け、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は一時1.4%下落し、米国株式市場は下げをほぼ解消する動きを見せました。
しかし、原油高によるトランプ政権への圧力は依然として強く残っています。この事態を受け、米財務省は18日、ロシア産原油の販売を認める制裁適用除外措置をさらに30日間延長すると明らかにしました。ベッセント財務長官は自身のSNSへの投稿で、この特例措置により「海上で滞留しているロシア産原油への一時的なアクセスを、最も脆弱な国々に提供する」と説明しており、エネルギー市場の安定化に向けた異例の対応を余儀なくされています。












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