
トランプ米大統領は5月15日、中国訪問を終えて米国へと向かう帰国途中の大統領専用機内において記者団の取材に応じ、台湾への武器売却に関する今後の承認手続きについて「私がまもなく判断する」と述べました。さらに、同日に放送された米メディアでのインタビューでは、台湾への武器売却の判断は中国の対応次第であるとの見解を示し、「我々にとって非常によい交渉材料だ」と発言しました。
トランプ米大統領は、中国の北京で行われた習近平国家主席との首脳会談でこの問題を詳細に議論したと明かしています。その上で、武器売却を「承認するかもしれないし、しないかもしれない」と述べ、意図的に明言を避ける姿勢をとりました。また、台湾については「小さな島に過ぎない」と指摘した上で、台湾の独立を望んでいないという考えを明確に示しました。一方で、米国のこれまでの台湾政策に関しては「何ら変わっていない」とも語り、基本的な枠組みは維持していると主張しています。
しかしながら、米国は1982年に当時の政権が定めた外交指針である「六つの保証」において、台湾への武器売却に関して中国政府と事前協議を行わないという明確なルールを定めています。したがって、武器売却を中国に対する外交交渉のカードとして扱うことは極めて異例の事態です。これは歴代政権が長年維持してきた安全保障政策の根幹から大きく逸脱しかねない動きとして警戒されています。
これまでにトランプ政権は、台湾に対して過去最大規模となる約110億ドル(日本円にして約1兆7000億円)の武器売却を承認した実績があります。現在、米国議会の超党派議員らは、議会が既に事前承認を行っている台湾への140億ドル(約2兆円)規模の追加武器売却について、速やかに手続きを進めるようトランプ米大統領に対して強く求めています。トランプ米大統領の「交渉材料」発言により、台湾が求める防衛支援の実現に対して不透明感が一段と増す結果となっています。
台湾総統との協議示唆と中国側の猛反発
さらにトランプ米大統領は、台湾への武器売却を実施するかどうかに関連して、「台湾を統治している人物と話さなくてはならない」と述べ、台湾の頼清徳総統との間で直接的な協議を行う必要があるとの考えを専用機内で記者団に示しました。米国の歴代大統領は、中国政府との関係悪化や無用な摩擦を避けるため、公式・非公式を問わず台湾総統との直接的な接触を控えることが長年の外交上の慣例となっており、今回の発言も異例の対応として波紋を広げています。
一方、中国側は米国のこのような動きに対して、警戒感を強めるとともに従来の反対姿勢を堅持しています。中国外務省の郭嘉昆副報道局長は18日に行われた定例記者会見において、米国による台湾への武器売却について「断固反対する」と明確な言葉で言明しました。トランプ米大統領が台湾への防衛支援を中国次第の交渉材料と言及した直後であるため、中国側としてもいかなる妥協も許さないという強い立場を改めて世界に強調し、米国の対中政策の揺さぶりを強く牽制する構えを見せています。












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