
フランスのパリで5月18日から19日にかけて開催された主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が閉幕し、日本銀行の植田和男総裁と片山さつき財務相が共同で記者会見を行いました。この中で植田総裁は、足元の長期金利について「速いスピードで上昇していると認識している」と述べました。
国内の債券市場では18日、長期金利の指標となる10年物国債利回りが一時2.8%まで上昇し、およそ29年半ぶりの高水準を記録しています。植田総裁は、この上昇の最大の背景として市場参加者の間での認識の変化を挙げ、「中東情勢を背景にしたインフレ懸念の高まりが世界的に長期金利の上昇をもたらしている」と指摘しました。また、日本の経済や物価情勢、今後の金融・財政政策に対する見方も影響しているとし、国債市場の動向については「政府と緊密に連携していきたい」と語りました。
さらに、エネルギー価格の上昇による物価への影響についても言及し、企業短期経済観測調査などを踏まえ、石油化学やプラスチック製品などを例に「川上から川中くらいにかけての価格転嫁がやや速めと思っている」との見方を示しました。日本銀行は6月の金融政策決定会合で、国債の買い入れ額を段階的に減らす現行計画の中間評価を実施する予定であり、今後の市場参加者会合も活用しながら点検を進める方針です。
一方、今回の主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、経済安全保障の観点から、レアアースなどの重要鉱物の供給網強化を目指し、投資拡大や再利用を進めることが合意されました。中国などを念頭に置いた輸出規制への懸念も表明されています。また、急速に進化する人工知能(AI)を悪用したサイバー攻撃への対応策について、6月の首脳会議までに取りまとめることも確認されました。
日米財務トップ会談と為替市場への対応
会議の傍らで、植田総裁はアメリカのベッセント財務長官と対面で会談しました。植田総裁は内容の詳細について明言を避け、「以前より長年よく知っている間で機会を捉えて会うことにしてきた中で、たまたま今回お会いするチャンスがあった」と述べるにとどめました。しかし、ベッセント財務長官は同日、自身のX(旧ツイッター)への投稿で会談を公表し、「日本経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)は強固であり、過度な為替変動は望ましくないと信じている」と発信しました。さらに「植田総裁が日本の金融政策を成功に導くと確信している」と強調し、強い信頼を寄せています。
また、片山さつき財務相は記者会見で、4月末の大規模介入など日本の為替政策について、主要7カ国(G7)から「総じて理解された」との認識を示しました。同会議の共同声明でも過度な為替変動の悪影響に関するコミットメントが再確認されており、片山さつき財務相は「断固たる措置を取る時は取るということだ」と語り、必要に応じて為替介入に踏み切る姿勢を改めて鮮明にしました。








当時の写真「大館(Tai-Kwun)」-1-280x210.jpg)



-300x169.jpg)