
中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が20日、北京で首脳会談に臨み、エネルギー協力や安全保障分野での連携強化を前面に打ち出す見通しです。ロシアから欧州連合(EU)への化石燃料輸出がウクライナ侵略後に急減する中、ロシアは中国向け輸出拡大を成長の軸に据えており、今回の会談はその流れを一段と加速させる場になるとみられます。
プーチン大統領は19日深夜に北京入りし、空港では中国の王毅共産党政治局員兼外相らが出迎えるなど、厚遇ぶりが演出されました。中国側は儀仗隊や礼砲を伴う歓迎式典を人民大会堂で行うほか、正式会談とは別に茶会形式の非公式会談も設定し、両首脳の「特別な関係」を国内外に印象づけようとしています。米国のトランプ大統領が北京を訪れてから間もないタイミングでの会談となり、中国としては米露両首脳を立て続けに招くことで、大国外交の中心地としての存在感を示す狙いがあります。
随行するロシア側代表団には、副首相や外相、経済担当閣僚に加えて、国営石油大手ロスネフチやガスプロムなどエネルギー企業トップが多数含まれており、会談の主要テーマがエネルギー協力であることを物語っています。ウクライナ侵略を受けた制裁でロシア産石油・ガスの対欧州輸出が先細るなか、中国はロシア産原油や天然ガスの輸入を拡大しており、ロシア経済の対中依存は一層強まっています。
中国にとっても、中東情勢の緊迫化などでホルムズ海峡経由の原油輸送リスクが意識されるなか、ロシアからの安定供給はエネルギー安全保障上の重要な選択肢となっています。一方、中国は従来から供給国の多角化を重視しており、ロシアへの過度な依存を避けつつ、価格や条件面で優位に立つ交渉を進めていると指摘されています。
新パイプライン構想と台湾情勢、対米包囲網づくりが焦点
今回の会談では、ロシアからモンゴル経由で中国東部へ天然ガスを運ぶ新パイプライン「シベリアの力2」構想が具体的な協議になる見通しです。同パイプラインは西シベリアのガス田と中国市場を結ぶ全長約2600キロ規模の大プロジェクトで、建設費は数兆円規模と試算されており、完成すればロシアの「東方シフト」を象徴するインフラになります。ただし、価格設定や投資負担を巡っては依然として不透明な点が多く、ロシア側が欧州市場の代替を急ぎたいのに対し、中国側は交渉を引き延ばしつつ自国に有利な条件を引き出そうとしているとの見方が根強いです。
安全保障面では、台湾情勢やウクライナ侵略、さらにイラン情勢などが議題になる公算が大きいとみられます。プーチン大統領はこれまでも中国による台湾統一の立場に理解を示しており、台湾を支援する米国トランプ政権を牽制する形で、台湾問題における中露の連携を再確認する狙いが指摘されています。また、中露が中心となる上海協力機構(SCO)やBRICSなどの枠組みを通じて、制裁を科す米欧に対抗する経済・安全保障ネットワークを強化する方策も協議される可能性があります。
米中首脳会談では、習氏がウクライナ侵略について「プーチン氏はいつか後悔するかもしれない」と語ったと報じられており、同盟とまではいえない両国関係の複雑さも浮かび上がっています。それでも、エネルギーと安全保障を軸にした利害の一致は大きく、北京での会談は「反米」をキーワードにした戦略的パートナーシップを再確認する場となりそうです。












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