4月貿易統計、中東からの原油輸入6割超減 ホルムズ海峡封鎖で代替調達進むも産業や生活に影響

財務省が発表した4月の貿易統計によると、中東から日本への原油の輸入量は384万キロリットルとなり、前年の同じ月と比べて67.2%減少しました。世界全体からの原油輸入量も63.7%減の448万キロリットルに落ち込み、比較可能な1979年1月以降で最大の減少幅を記録しています。
この歴史的な大幅減少は、中東情勢の緊迫化に伴いホルムズ海峡が事実上封鎖された影響が、統計上にも明確に表れ始めたものです。LNG(液化天然ガス)の輸入量は76.1%減少し、プラスチックなど幅広い素材の原料となるナフサを含む揮発油は79.4%減少という極めて深刻な落ち込みを見せました。さらに、供給不安と急激な円安の進行が重なったことで価格も高騰しており、円建ての輸入単価は1キロリットルあたり10万1389円と、3月から5割近く上昇して初めて10万円の大台を超えました。全体の貿易収支としては、中国向けの半導体輸出などが牽引して3019億円の黒字を確保したものの、エネルギー調達コストの増大が今後の懸念材料となっています。
一方で、供給網の寸断を補うための代替調達の動きも急速に進んでいます。アメリカからの原油輸入量は前年同月比で38.8%増加したほか、アメリカ産のナフサを含む揮発油は前年の206倍と劇的に増加しました。これらの結果を受けて財務省は、「原油や石油製品などの代替調達が進展していることが伺える」と説明しています。
しかし、日本がこれまで調達の多くを依存してきた中東からの輸入急減による波及効果は、国内の産業活動や国民の日常生活にも直接的な影響を及ぼし始めています。ナフサを主な原料とする指定ごみ袋が各地のスーパーや小売店で品薄状態となっており、供給不安を感じた一部の消費者が買いだめに走っていることが原因とみられています。これを受け、特例として一時的に指定外の袋の利用を認める自治体が相次いでおり、環境省は必要以上の購入を控えるなど、冷静な対応をとるよう国民に強く呼びかけています。
電気・ガス料金高騰の懸念と政府の負担軽減策
エネルギー資源の調達環境が悪化する中、国民生活への打撃を抑えるための対策も急務となっています。原油やLNGなどの燃料価格高騰の影響は、今後3か月から5か月後の家庭の電気・ガス料金に連動して反映されることが多く、この夏以降の家計の負担増が大きく懸念されています。
こうした事態を受け、高市早苗首相は、7月から9月の電気・ガス料金が家計の過度な負担とならないよう支援する考えを表明しました。政府は、電力会社などに補助を行い請求料金を引き下げる従来の手法を踏襲し、支援の財源として今年度予算の予備費から5000億円程度を支出する方向で調整に入っています。また、ガソリン価格を抑制するための補助金も継続する方針であり、予算の枯渇に備えて今年度の補正予算案の編成も含めた検討を本格化させています。
ホルムズ海峡関連の原油輸入に関しては下記もお読みください。
https://tokyonewsmedia.com/archives/tag/crude-oil












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