
川崎重工業は、半導体世界大手の米エヌビディアと協業し、新たなロボット技術の開発に乗り出します。川崎重工が長年培ってきたロボットのハードウェア技術と、現実世界でロボットを自律制御するエヌビディアの人工知能技術である「フィジカルAI」を融合させることで、次世代のソリューションを生み出すことを目指しています。
両社はまず、医療やモビリティーの分野を皮切りに協業を進めます。医療機関向けには、医師や看護師の作業を支援するロボットの開発を進めています。川崎重工の看護師支援ロボットは、車輪で移動しながら2本の腕を使って看護師の業務を補助したり、検体を安全に運搬したりする機能を持ちます。ここにエヌビディアのAI技術を活用することで、より複雑で高度な支援業務を自律的に行えるようにします。
また、モビリティー分野では、開発中の四足歩行ロボット「CORLEO(コルレオ)」にエヌビディアのシミュレーション技術を導入します。複雑な環境認識や歩行制御にAIを活用し、実環境でのパフォーマンスを飛躍的に高める想定です。
この協業を加速させるため、21日には米カリフォルニア州サンノゼ市に新たな共同開発拠点を開設しました。シリコンバレーの中心に位置するこの新拠点は既存拠点の一部に設けられ、川崎重工の産業用ロボットなどを常設しています。現地でAI技術者などを採用し、数年で数十人規模の開発体制へと拡大する計画です。ここではエヌビディアに加え、米半導体大手のアナログ・デバイセズ、米マイクロソフト、そして富士通とも協業を行い、周辺のテック企業や大学、研究機関との連携を広げていく方針です。
グローバル3拠点での開発サイクル確立と今後の事業展望
一方、欧州における展開として、川崎重工は2月に仏東部のストラスブール市に海外初となる医療ロボットの研究開発拠点を設けました。これにより、米国で最先端の技術を取り込み、医療現場に近いフランスや日本で実証を行うという、グローバルな開発サイクルを回す体制が整いました。世界3拠点でフィジカルAIへの対応を急ぎます。
川崎重工の直近の業績を見ると、2026年3月期の連結売上収益は過去最高となる2兆3112億円に達しました。しかし、そのうちロボット事業の売上収益は929億円にとどまっており、連結全体の4%に過ぎません。現在は半導体製造装置に組み込む製品が中心で、2本腕でゴミを分別する「デュアロ」などAIロボットはまだ一部にとどまっています。今後はAIロボットの機種を順次増やし、将来的にはガスタービンなどの発電設備やプラント制御などにもフィジカルAIの活用範囲を広げていく計画です。
エヌビディアの動向については下記もお読みください。
https://tokyonewsmedia.com/archives/tag/nvidia












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